WBC優勝メンバーの里崎智也と谷繁元信が提言 侍ジャパン王座奪回への「最強布陣」はこれだ!
接戦になるほど足を絡めた攻撃が勝敗を分ける
試合終盤の大きな武器として周東佑京を推す2人。さらに谷繁さんイチオシのユーティリティー・プレーヤーとは? 【写真は共同】
里崎「じゃあ、全体的には打ち負かす野球ですね」
谷繁「いや、そこなのよ!」
里崎「足を使う人がいないですもん」
ここで思い出されたのが、13年の第3回WBC2次ラウンド1回戦、台湾戦(東京ドーム)だった。負けたら終わり、の2次ラウンド。1点を追う9回二死、打席には二番・井端弘和(元中日ほか)が入った。その初球、一塁走者だった鳥谷敬(元阪神ほか)が二塁に向かって、猛然とスタートを切ったのだ。
かなりきわどいタイミングだった。しかし、判定はセーフ。井端のセンター前で鳥谷が還り、日本は土壇場で同点に追いついた。続く延長10回表、中田翔(現巨人)の犠牲フライで日本が勝ち越し、薄氷の勝利を決めた。
「チャンスがあったら行ってやろうと思っていた」と試合後、鳥谷は語った。梨田(昌孝)野手総合コーチは、「一か八かで、行くしかなかった」と言う。「あれ(鳥谷の盗塁)がなかったら、終わっていた」とまで高代(延博)内野守備・走塁コーチは言った。
パワーに勝る世界の野球に日本が勝つためには、「やはり飛び道具が必要」と里崎さん。特に終盤、接戦になればなるほど、足を絡めた攻撃が勝敗を分けてくる。
「(鈴木)誠也も走ろうと思えば走れる。村上も走れるし、源田も走れる」としつつ、やはり「足のある選手」が控えに欲しい、というところで2人の意見が一致した。
ここ数回の侍ジャパンメンバーを振り返れば、周東佑京(ソフトバンク)の選出が順当だろう。そしてもう一人、谷繁さんが推すユーティリティー・プレーヤーは誰か?
2人の議論は、打順へと移る。まず大谷翔平は、何番を打つのか。先発投手としてマウンドに上がるのか。打線の軸が決まれば、おのずと他の打順も決まってくる。谷繁さんが理想の打順をすべて解説。ファンのみなさんの予想はどうだろう。
対談後編からは世界20チームの参加国のうち、ダークホースとなりうるチームはどこか。ピッチャーの内訳をどう選ぶか。侍ジャパンが優勝するためのポイントについて語り合う。最後に谷繁さんと里崎さんが、WBC優勝メンバーだけが持つ、ある“もの”についてユニークな約束を交わすのだが、そのある“もの”とは? スポーツナビ野球チャンネルをお楽しみに!