最高峰NFLを狙うアマ横綱・花田秀虎も参戦 全日本選抜が“ドリームボウル”で米アイビーリーグチームと激突
勝たなければ「負け犬の遠吠え」にすぎない
全日本選抜にはXリーグでプレーする外国人選手も参加 【永塚和志】
もともと野球やサッカー、バスケットボール、バレーボールといった人気競技のように日本代表の試合が頻繁に組まれることはない。1999年から始まった世界選手権では初回と第2回(2003年)で優勝を果たしている日本。だが、オーストラリアで開催予定だった2019年大会は2023年のドイツでの開催へと変更となり、それも2025年へと延期となるなど、混迷している。
そのため、日本代表はますます試合から遠ざかった。2015年の米オハイオ州での世界選手権で準優勝に終わった日本代表が次に試合をしたのは2020年に米テキサス州でプロ予備軍・TSL(The Spring League)チームとの対戦までなかった。これがシニア代表としては最後の試合となっている。
そのTSLチームとの対戦で日本は36−16で敗戦した。実際の試合の内容は点差ほどの差はなかったということもできたが、試合後のチームの受けとめは「勝つべき試合を落とした」というものだった。
勝たなければ先へつながっていかない。TSL戦のメンバーでヨーロッパプロリーグでもプレーするなど国際経験を持つワイドレシーバー(WR)近江克仁(IBM)は、今回のアイビーリーグ選抜と試合は「絶対に勝たないといけない」それだと強調する。
「2020年のTSLとの試合が終わって『戦えていた』とか『勝っていた』などと言うメンバーも多かったんですけど、でも結果的に負けている。それって負け犬の遠吠えというか戯言でしかないので。やっぱり今回は結果として示さないといけないと思いますし、今後こういう試合を続けていくのであれば勝たないといけない。そこに対する思いはみんな強いと思いますね」
「国内だけで通用するような井の中の蛙(かわず)ではだめ。代表のレベルを上げて日本のアメフトを引っ張っていかねば」。そうした趣旨の発言が、TSL戦後のロッカールームで日本代表のコーチ陣から選手たちへ向けてあった。
貴重な国際試合を、国立で
「勝つためにすべてを賭けて臨んだ結果、負けてしまったので、あのロッカールームでの言葉というのは(今も自分の胸に)響いています。今回のチャンスを絶対にものにしたいなと思っています」
相手のアイビーリーグ選抜についても少し触れたい。アイビーリーグはハーバードやイェール、プリンストンといった歴代のアメリカ大統領も輩出するような勉学の最高峰の大学が集まっている。一方で数々のNFL選手がこのリーグ出身で、侮ることはできない(昨シーズンと今シーズンのNFLの最多タックル記録者、ジャクソンビル・ジャガーズLBのフォイェ・オルオクンはイェール大出身だ)。
アイビーリーグ選抜を率いるのは現在コロンビア大のHCで、2022年シーズン開幕時点では現役ではNCAA第2位の勝数(268)を記録するアル・バグノリ氏が務める。
日本選抜は、今月3日のライスボウル(日本一決定戦)で富士通フロンティアーズを連覇に導いた山本洋氏がヘッドコーチを担う。
NFL入りの野心を持つ逸材と、日本のアメフト界が“本場”と邂逅(かいこう)する国立競技場のビッグゲーム――。ドリームボウルは22日、午後1時にキックオフだ。