YouTube「スポーツナビ野球チャンネル」で10月から配信中の新企画『それ掛布さんに聞いてみよう！～スポナビ的人生相談～』。球界のレジェンド・阪神タイガースOBの掛布雅之が“人生の先達”として、スポナビユーザーから元プロ野球選手、お笑い芸人まで、悩める人々のさまざまな相談に答えるトークバラエティです。本記事ではここまで配信された全6回のシリーズから、第1回の配信内容をダイジェストで紹介します。

　人生相談を前に「（僕も）いろいろ失敗してますからね」と自虐気味に笑った掛布さん。「スポナビ的人生相談#1」ではそんな掛布さんにインタビューを行いました。

──掛布さんが現役時代、最も悩んだのはいつ頃ですか？

掛布 　1番しんどかったのは優勝した昭和60年ですね。勝つことによって“我慢”という野球を教わりました。いい失敗、悪い失敗、アウトの内容、前後のバッターの状態……いろいろ考えながら1打席1打席消化していく。非常に野球について考えた1年でした。

──引退後はどんなことで悩みましたか？

掛布 　解説者としてどこのテレビ局でお世話になるか。非常に悩んだ自分がいましたね。

──最終的に日本テレビを選んだ理由を教えてください。

掛布 　現役時代、1番倒さなければいけないと意識したのは巨人です。その巨人の裏側を見たい、知りたいという気持ちが強かったんです。であれば、巨人に最も近い日本テレビさんにお世話になろうと思いました。

──実際に感じた巨人と阪神の違いはどのようなものでしたか？

掛布　かつて小林繁さんが「巨人には伝統があるけども、阪神には伝統がない」とおっしゃったんです。「歴史はあるけど伝統がない」と。昔はピンと来なかったんです。でも巨人軍はV9時代から“勝たなくてはいけない十字架”を背負って戦っている。選手たちからその重みを感じたんですね。確かに阪神にはそのようなプレッシャーはありませんでした。伝統を作るには長く続けるだけではなく「勝つ」という部分も大事なんだなと。

──野球人生で忘れられない言葉があれば教えてください。

掛布　僕の状態が悪いときに長嶋茂雄さんが電話をくださって「バットを振ってみなさい」とか、背中を押すような言葉をいただいたことが何度かありました。あと長嶋さんは僕の結婚式（1979年）でスピーチもしてくださったんです。「あなたは巨人戦で数多くのホームランを打ちましたね。あなたのホームランに悔しい思いをしている1人です。ただ、あなたのホームランに誰にも負けない大きな拍手を送っている掛布ファンの1人であることを忘れないでほしい」。　いや、涙が出ましたね。あの長嶋さんが僕のホームランをそんな形で見てくれていたんだと。

──最高のメッセージですね。

掛布　僕らは「ＯＮ」にあこがれて野球を始めた世代ですからね。王貞治さんにも声をかけていただきました。僕がレフト前ヒットを打って塁に出たとき、（一塁手の）王さんに「掛布くん、いつあんなバッティングを覚えたんだ？」と言われました。あの王さんが私のバッティングを見ていてくれていたんだ、認めてくれたんだ、と。忘れられない言葉ですね。

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　このほかにも動画本編では、現役時代はライバルとして戦った同級生で盟友の江川卓さんとの関係や、引退後の日本テレビ入りについて江川さんに相談したエピソードなども語られました。そして、第2回以降はいよいよ掛布さんへの人生相談がスタート。SNSで募集したスポナビユーザーや野球ファンからの相談や、G.G.佐藤さん（元・西武ほか）、ロンドンブーツ1号2号の田村亮さんも登場します。波乱万丈の人生を歩んできた“ミスタータイガース”掛布さんの快答、名答（迷答？）は、ぜひ「スポーツナビ野球チャンネル」にてご覧ください。