[連載小説]I’m BLUE -蒼きクレド- 第5話「海浜幕張の夜」
【最終予選で初戦から2連敗。全体が間延びして攻守に課題】
【秋山監督にダメ出し? 主力選手が「ルールがない」と問題提起】
【本大会出場決定も、11月のW杯までにテコ入れが必要】
【高まる小高有芯招集論】
報道では詳細までわからないが、チームがうまくいってないことだけははっきりとわかった。
特に批判の的になっていたのが秋山大監督だ。
経験不足、戦術がない、マネジメント崩壊……ひどい言われようで、半年後にW杯を控える中で異常事態である。
距離を縮める前に、いきなり核心を突きすぎたようだ。
慈英が烏龍茶のグラスを机にたたきつけた。
「なんで学生ごときに、チームの内情を教えなきゃいけないんだよ」
言いづらそうにしている。やはり何かあると玉城は思った。だが、ここで粘っても答えは引き出せないだろう。すぐに質問を撤回した。
「言いづらないよな。忘れてくれ」
するとレオが予想外の反応を見せた。
「ボクも知りたいな。ジェイ、話してくれない? 次にパパのスパイク持ってくるから」
なぜ松森虎のスパイクを? 真意を計りかねていると、慈英が両目をつむって額をこすった。
「汚ねーぞ。モノでつりやがって……」
「パパの大ファン、だろ?」
「ちっ、どこでそれを……」
慈英が両目を見開いた。
「いいだろう。活動が始まったら、どうせわかることだ。日本代表で何が起こっているかを教えてやる。その代わりレオ、絶対虎さんのスパイク持ってこいよ」
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