連載小説:I’m BLUE -蒼きクレド-

[連載小説]I’m BLUE -蒼きクレド- 第5話「海浜幕張の夜」

木崎伸也 協力:F
 日本代表の初招集が発表されて以降、玉城は過去のスポーツニュースを読み漁った。
【最終予選で初戦から2連敗。全体が間延びして攻守に課題】
【秋山監督にダメ出し? 主力選手が「ルールがない」と問題提起】
【本大会出場決定も、11月のW杯までにテコ入れが必要】
【高まる小高有芯招集論】
 報道では詳細までわからないが、チームがうまくいってないことだけははっきりとわかった。
 特に批判の的になっていたのが秋山大監督だ。
 経験不足、戦術がない、マネジメント崩壊……ひどい言われようで、半年後にW杯を控える中で異常事態である。

 距離を縮める前に、いきなり核心を突きすぎたようだ。
 慈英が烏龍茶のグラスを机にたたきつけた。
「なんで学生ごときに、チームの内情を教えなきゃいけないんだよ」
 言いづらそうにしている。やはり何かあると玉城は思った。だが、ここで粘っても答えは引き出せないだろう。すぐに質問を撤回した。
「言いづらないよな。忘れてくれ」
 するとレオが予想外の反応を見せた。
「ボクも知りたいな。ジェイ、話してくれない? 次にパパのスパイク持ってくるから」
 なぜ松森虎のスパイクを? 真意を計りかねていると、慈英が両目をつむって額をこすった。
「汚ねーぞ。モノでつりやがって……」
「パパの大ファン、だろ?」
「ちっ、どこでそれを……」
 慈英が両目を見開いた。
「いいだろう。活動が始まったら、どうせわかることだ。日本代表で何が起こっているかを教えてやる。その代わりレオ、絶対虎さんのスパイク持ってこいよ」

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著者プロフィール

1975年、東京都生まれ。金子達仁のスポーツライター塾を経て、2002年夏にオランダへ移住。03年から6年間、ドイツを拠点に欧州サッカーを取材した。現在は東京都在住。著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『革命前夜』(風間八宏監督との共著、カンゼン)、『直撃 本田圭佑』(文藝春秋)など。17年4月に日本と海外をつなぐ新メディア「REALQ」(www.real-q.net)をスタートさせた。18年5月、「木崎f伸也」名義でサッカーW杯小説『アイム・ブルー』を連載。

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