新時代が始まる、今季のフィギュアGPシリーズ 五輪に向かう4年間のスタート
新たな表現に挑む世界女王・坂本、紀平は復活を期して臨む
世界女王となった坂本花織は、新たな表現に挑戦する 【写真は共同】
また昨季は右足首の疲労骨折のため全休を余儀なくされた紀平梨花が、復活を期して参戦する。ジュニア時代からトリプルアクセルを跳び、シニアデビューした2018年にはファイナルで優勝。2020年全日本選手権では4回転サルコウも成功させている紀平だが、ようやく試合に戻った今季は、今のところ完治を優先し無理のないジャンプ構成で臨んでいる。ただジャンプの才能は頭抜けており、怪我さえ治れば高難度ジャンプを取り戻すのに時間はかからないはずだ。ジャンプが跳べない時期に磨いたスケーティングも、新たな武器になるかもしれない。現在拠点とするカナダで行われる第2戦スケートカナダと、第6戦フィンランド大会にエントリーしている。
他にも、北京五輪に出場した河辺愛菜、昨季の四大陸選手権を制した三原舞依、今季勢いのある渡辺倫果、中部選手権で優勝した松生理乃など、日本女子は楽しみな顔ぶれがそろった。世界選手権銀メダリストのルナ・ヘンドリックス(ベルギー)、トリプルアクセルを持つユ・ヨン(韓国)もファイナル進出を目指す。
北京五輪で5位と健闘した樋口新葉は、4月に負った右腓骨疲労骨折からの回復が遅れているため、今季は全ての競技活動を見送ることを明らかにしている。コンディションが整った上での復帰を待ちたい。
“りくりゅう”ペアのファイナル進出に期待
アイスダンスでは、日本からは小松原美里/小松原尊、村元哉中/高橋大輔が参戦する。小松原夫妻は、昨季はコロナ禍により入れない時期もあった練習拠点・モントリオールで充実した練習を積んでおり、さらなる進化が期待される。村元/高橋は昨季に続き今季も個性あふれるリズムダンスを用意しており、速いテンポを刻むラテンを滑る。
今季、フィギュアスケート界は2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向け再発進する。どんな方向に進んでいくのか、未来を占うグランプリシリーズから目が離せない。