「DAZN Jリーグ推進委員会」月間表彰2022

J1月間MVP 川崎F・家長昭博の達観「自分がおっさんだと受け入れている」

林遼平

心に余裕を持ちながら、楽しみながら

36歳になったが、周囲の厳しい視線が自らを奮い立たせてくれているという。谷口彰悟(中央)や山根視来らの代表選手からも良い刺激をもらっている 【(C)J.LEAGUE】

ーー一方で、現在36歳となった家長選手は素晴らしい活躍を続けています。身体やパフォーマンスの維持は大変だと思いますが、年齢を重ねて意識することが変わったりしましたか?

 意識しているのは、もう自分がおっさんだと受け入れること(笑)。しっかり疲れますし、やはりちゃんと休まないと動けない。それも受け入れてやるしかないと思います。もう若くはないんで、いろいろなことを諦めたりもしています(笑)。

ーー過密日程で試合に出続けることは、なかなか大変だと思います。

 身体が疲れている時は、しっかり休まないといけない。僕は、自分に疲れていないと無理やり言い聞かせたり、調子が悪いのに無理をして調子がいいと言ったりするようなマインドを持っていないんです。調子が悪い時もあるし、身体が動かへん時もあります。それを受け入れつつ、「じゃあ、今はどういう風にやったらいいか」「どうすればこの疲れが取れて、コンディションが上がっていくか」みたいなことを考える毎日ですね。

ーー最近の試合を見ていると、調子の浮き沈みをあまり感じませんが。

 ありますよ(笑)。良い日も悪い日もあります。でも、その中でできることを自分なりに探しながらやろうかなと思っています。ある程度心に余裕を持ちながら、楽しみながらできたらなと思っています。

ーー多くの経験をされてきましたが、今もなお、刺激を受けることはありますか?

 同じことをやっていても感じ方が薄れてきたりしますし、高揚することも少しずつ減ってきているとは思います。ただ、ありがたいことに周りからの視線が厳しいというか、やって当たり前だろうという目で見られるので、それが自分のケツを叩いてくれています。

ーー今のチームには日本代表選手も何人かいますが、その存在が刺激になったりしませんか?

 今年はワールドカップ(W杯)もありますし、彼らは本当に高いモチベーションでやっていて、そういう選手に引っ張られて僕らも頑張れるところはあります。良い刺激をもらっています。

ーー家長選手自身は、カタールW杯に対してどのような思いを持っていますか?

 チームメイトに日本代表がいるので、自分ももしかしたら、と思いながらやっています。

残り試合は泥臭く勝ち点を積み上げたい

9月12日現在、10得点。エースのレアンドロ・ダミアン(左)が負傷離脱となっただけに、逆転優勝のためにはさらなる家長のゴールが必要だ 【Getty Images】

ーー優勝争いも佳境です。残り試合が少なくなりましたが、ここからどんなサッカーを作っていく必要があると感じていますか?

 臨機応変にやらないといけませんし、どんな形でも勝ち点を積み重ねていかないといけない。どんなサッカーというより、本当に泥臭く戦って、勝ち点3、もしくは最悪でも勝ち点1を手にすること。そのためには何でもしなくてはいけないなと思っています。

ーー横浜FMに勝利した後も、「今日良かったから、次も良いわけではない」といった話をされていました。やはり目の前の試合にしっかりと臨まなくてはいけないということですね。

 今はそこまで余裕はありませんし、本当にその(目の前の)1試合がどうなるか分からない。残り5試合ぐらいで一気にF・マリノスが抜けてしまう可能性もありますから、そういった危機感は常に持っています。

ーー家長選手はここまで8ゴールを挙げています(インタビュー後の9月10日に行われた第29節・サンフレッチェ広島戦で2ゴールを記録)。自身のシーズン最高記録は11ゴールですが、得点の数は意識していますか?

 優勝する上ではゴールが必要になってくるので、まずは12点を目標に頑張りたいです。

ーーでは、最後にあらためて、残りのシーズンへの意気込みをお願いします。

 最終節が終わった時に、(順位表の)一番上にいられるようにみんなで頑張りたいです。また、見てくれているファン・サポーターの方々に、今シーズンは面白かったねと言ってもらえるように、みんなで切磋琢磨してやれたらなと思っています。

(企画・編集/YOJI-GEN)

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著者プロフィール

1987年生まれ、埼玉県出身。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任し、『Number Web』などにも寄稿している。

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