レアル・ソシエダはなぜ久保建英を欲したのか 「想像力があり、謙虚で、さらに……」

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カディスとのリーグ開幕戦でゴールを決めた久保建英(右)。早くもレアル・ソシエダにフィットしている 【Photo By Joaquin Corchero/Europa Press via Getty Images】

 なぜ、久保建英が必要だったのか、久保を獲得して“ラ・レアル”はどこを目指すのか――。9月2日、レアル・ソシエダが日本メディアに向けてオンライン会見を実施。久保の獲得による影響と、今後の展開についてのプレゼンを行った。

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良いスタートが切れたのは久保のおかげ

 久保建英のことをスペイン語のひと言で表現するとしたら?

 そんな質問が飛ぶと、レアル・ソシエダのクラブOBで、国際戦略プロジェクト部のイニゴ・ディアス・デ・セリオ氏は「イマヒナシオン(スペイン語でイマジネーションの意味)」と答えた。

「才能が頭の中に刷り込まれて、それを足へと伝えられる。つまり、頭に思い浮かべたものを行動に移せる素晴らしい資質を持っています。我々(レアル・ソシエダ)がリーガで良いスタートが切れたのは、ゴールチャンスを逃さない久保選手の才能によるところが大きいです」

 これは9月2日に行われたレアル・ソシエダによるオンライン会見のひとコマだ。前述のイニゴ氏と、コミュニケーション部のルイス・アルコナダ氏が登場し、今季獲得した期待の日本人アタッカーと、クラブの施策について語った。

 レアル・ソシエダが久保に関心を持ったのは、この夏に始まった話ではないという。レアル・マドリーからマジョルカやビジャレアル、ヘタフェに期限付き移籍をしていたときから、すでに獲得を狙っていたとルイス氏は明かす。

「私たちはレンタルではなく、5年契約というしっかりとした形での加入を望んでいました。そしてこの6月、ようやくそのチャンスがきて、獲得に乗り出したのです」

久保の人間性も惚れ込んだ要因

久保獲得の狙いとレアル・ソシエダの構想についてプレゼンを行ったイニゴ氏(左)とルイス氏 【YOJI-GEN】

 それだけ久保に惚れ込んでいたわけだが、久保のどんな資質がクラブにマッチすると感じていたのか――。その疑問に答えたのはイニゴ氏だ。

「久保選手は謙虚なところがあり、個人よりもチームを重視する選手です。自己鍛錬もしっかりしていて自分に厳しい。たとえプレーできないときでも、チームメイトの応援に全力を尽くしてくれる。ゴールを決めた試合後も、自分の功績よりもチームを立てる発言が目立ちました。そういった意味ですでにチームとの連係、協調もうまくいっていると思います」

 レアル・ソシエダは保有する選手のテクニックはもちろん、人格も重視する。下部組織出身の若い選手も礼儀正しさを身に付けており、トップチームの選手はマナーが良いとの評判を得ている。クリーンなプレーをするからこそ地元の人々からの共感も得られるというもの。そうしたチームカラーに、久保はマッチしたというわけだ。

 さらに、MFダビド・シルバやFWミケル・オヤルサバル、MFミケル・メリーノ、MFアシエル・イジャラメンディといった代表クラスの実力者で、久保とサッカー観やイマジネーションを共有できそうな選手が多いことも大きい。イニゴ氏が続ける。

「ボールタッチに優れた選手たちに囲まれているので、ピッチ内でも伸び伸びとプレーできるのではないか、と思います」

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