レアル・ソシエダはなぜ久保建英を欲したのか 「想像力があり、謙虚で、さらに……」

YOJI-GEN

ヨーロッパで安定した成績を狙う

昨季はアルメリアの一員として1部昇格に貢献したFWサディク。久保との連係にも注目だ 【Photo by Ion Alcoba/Quality Sport Images/Getty Images】

 一方で、久保の加入によって、日本からの観光客増加への期待もかけている。8月28日に行われたエルチェ戦のスタンドにはすでに、久保のユニホームを着て試合を観戦する日本のサッカーファンの姿が目立っていた。イニゴ氏が説明する。

「サン・セバスチャンは人口20万人ほどで、海岸を持つ美しい都市です。食文化も含め、日本の方々に好まれる文化を持っていますし、すでに日本から多くの観光客がいらしています。まだサン・セバスチャンを訪れたことのない方は、ぜひいらしていただきたい」

 現在、レアル・ソシエダは3シーズン連続してヨーロッパリーグへの出場権を獲得しているが、久保の加入によってさらなるランクアップを目指したいと、ふたりは力説する。

「クラブの財政の再建に取り組んだ成果として、国際市場への展開を考えており、日本、米国、メキシコへの進出を狙っています。特に日本は可能性のある市場だと思います。日本は近年、才能のある選手を数多く海外へ輸出しています。例えば、セルティック(スコットランド)やドイツのリーグでは日本人選手が多く活躍しています。またスペインからも日本のJリーグに多くの選手が移籍しています。久保選手の獲得は、日本と私たちの関係をさらに深める非常に良いチャンスではないかと思っています」(イニゴ氏)

「この夏、久保選手をはじめ、ブライス・メンデス、“モモ”・チョー、ウマル・サディクらを獲得することができました。若手の層の厚いチームで、今後はヨーロッパで安定した成績を残すことを目指します。また、バルセロナ、レアル・マドリー、アトレティコ・マドリーに並ぶような、リーガで4〜8位のポジションをキープしたいと思っています」(ルイス氏)

 レアル・ソシエダがラ・リーガだけでなく、欧州でもその名を大きく轟かすクラブになる――。そうした野心の実現に久保が大きく貢献したなら、日本のサッカーファンとしても誇らしいというものだ。

クラシコ第1戦はアジアの時間帯にキックオフ

バイエルンからバルセロナに加入したレバンドフスキは4試合5ゴールと、スペインでも結果を残している 【Photo by Fran Santiago/Getty Images】

 このメディア対応では、ラ・リーガの日本担当者によるプレゼンテーションも行われた。

 今季の注目選手として、昨季の得点王であるレアル・マドリーのFWカリム・ベンゼマ、バイエルンからバルセロナに加入したFWロベルト・レバンドフスキ、レアル・マドリーの守護神ティボ・クルトワ、「ポルトガルの若き至宝」アトレティコ・マドリーのMFジョアン・フェリックス、「今世紀最高の宝石」レアル・マドリーのMFヴィニシウス・ジュニオールが紹介された。

 一方、日本人選手で今季、スペインを戦いの場とするのは久保、2部レガネスのMF柴崎岳、2部アラベスのFW原大智、2部ウエスカのMF橋本拳人の4人となる。

 また、注目カードもいくつか紹介されたが、なかでも世界中から注目を集めるのが、レアル・マドリーとバルセロナによるクラシコだ。今シーズンは第1戦が10月16日、第2戦が3月19日に組まれている。世界中にファンがいる両チームだけに、第1戦のキックオフはアジアの時間帯に、第2戦は北米・欧州の時間帯に合わせたキックオフが予定されている。

 さらに、欧州リーグ最多となる1億5800万人のフォロワー数を誇るラ・リーガのSNSの紹介など、2022-23シーズンのラ・リーガの魅力がたっぷりと紹介された。

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