マドンが語った衝撃「あんなものを見たのは初めて」 別人のごとく生まれ変わった大谷翔平
エンゼルスのマドン監督(当時)は大谷の可能性に期待して、自主性に懸けることにした 【Photo by Rob Tringali/MLB Photos via Getty Images】
エンゼルスは2021年3月21日(日曜日)の朝8時40分に、ツイッターを通じて告知を流した。
「本日、ショウヘイ・オオタニは2つの役割を兼務します」
そうツイートされて、その日の先発メンバー表の写真が載っていた。エンゼルスはピオリアでサンディエゴ・パドレスと対戦することになっていたが、1番打者に大谷の名があった。そして、名前の隣に「1」という数字が書き込まれ、つまりは投手として登板するということだ。
そもそもアメリカン・リーグでは投手が打席に立たないわけで、これはなかなか奇異な光景だった。ナショナル・リーグの球場でも、スプリングトレーニング中の試合ですら、アメリカン・リーグの球団は必ず指名打者を打順に入れる。アメリカン・リーグのチームが投手を打席に立たせるのは、ナショナル・リーグの本拠地球場での公式戦だけだが、そんなときでさえ投手が1番打者を務めることはありえない。
大谷が普通の投手と違うのは明らかだが、それでもエンゼルスが登板時に打席に送り出すことはなく、そこの一線を越えたことはなかった。日本では何回かあったが、エンゼルス入団後は一度もなかった。
2019年12月、エンゼルスは大谷の状態が万全なら2020年はフルに二刀流をやらせるつもりで、マドン監督もそう言及していたが、大谷が投手として登板できたのは2試合だけだった。だから、そういう機会はなかった。
だが2021年春は、大谷にとって新時代の幕開けとなるはずだった。あらゆる制限が取り除かれ、マドン監督自身が何度も繰り返していた。
「あいつにコレはやれ、コレはやるな、などと指図はしたくない。それはGMも同じだ」
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