連載:高校野球2022夏「実力校ランキング」

夏の全国初制覇に挑む浦和学院・森大監督「前体制も含めた浦学野球の集大成を」

上原伸一
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埼玉県で4季連続優勝中の浦和学院を率いる31歳の指揮官、森大監督。プレッシャーはもちろんあるが、「勝つために必要な準備を完璧にやりたい」と話す 【上原伸一】

 7月8日に開幕した高校野球、夏の埼玉大会。絶対的な本命は、今春のセンバツ4強で、春の関東大会も制した浦和学院だ。悲願の「夏の全国制覇」を成し遂げるため、ここでつまずくわけにはいかないが、当然、他校のマークも厳しくなる。昨年の秋、名将と謳われた父・森士(おさむ)前監督からバトンを受けた31歳の青年指揮官・森大(だい)監督に、果たして勝算はあるのか。「浦学野球の集大成」を掲げる、この夏への思いを聞いた。
 これまで春夏通算25回(春11回、夏14回)の甲子園出場を果たしている浦和学院。2013年には、埼玉の学校として2校目となるセンバツ優勝も成し遂げた。甲子園で積み上げた勝ち星は35を数える。

 今春のセンバツでは、昨夏の甲子園終了後、父である名将・森士(おさむ)前監督から「名門・浦学」の指揮権を引き継いだ森大監督のもと、ベスト4に進出。昨春から埼玉では負け知らずで、さらに今春の関東大会も制した浦和学院が狙うのは、同校史上初となる「夏の全国制覇」だ。

 ここではチームを率いる31歳の若き指揮官に、監督としては初めて挑む夏に向けた意気込みや、県大会で警戒している学校、そしてその指導理念などをじっくり伺った。

プレッシャーがあるのは幸せなこと

――いよいよ監督として迎える初めての夏が始まります。

 去年の秋の大会から監督を務めていますが、その時から今の3年生には「最後の夏に向けて準備をしていこう」と言ってきました。ですから、この夏は1つの集大成。楽しみでもあります。僕自身も浦和学院の選手として、重圧がかかる夏を戦ってきた経験があります(3年時の08年夏は、背番号10ながら南埼玉大会の全6試合に先発し、夏の県3連覇に貢献)。選手たちには5季連続優勝というプレッシャーを感じながらも、それをはね除けてほしいと思っています。

――森監督自身にもプレッシャーはありますか?

 それは感じています。大会が近づくにつれて、戦略など、いろいろな考えが頭に浮かんでくるのもプレッシャーがあるからでしょう。もっともそれは、日頃の生活の一部。夏の大会前に限ったわけではなく、浦和学院の監督になってからは日々プレッシャーを感じています。プレッシャーがあるというのは幸せなことだと思います。

――県では昨春から4季連続優勝中。浦和学院に対するマークはかなり厳しくなりそうです。

 他校は「打倒・浦学」で挑んでくると思いますが、相手のことをあまり意識しても仕方ないかと。それに、そもそも4季連続優勝のうち2回は前監督のもとで成し遂げたもので、そこは僕自身、あまり考えていないんです。

――13年のセンバツを制した浦和学院ですが、夏の全国制覇はまだありません。それについては意識していますか?
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著者プロフィール

1962年、東京生まれ。外資系スポーツメーカーなどを経て、2001年からフリーランスのライターになる。野球では、アマチュア野球のカテゴリーを幅広く取材。現在はベースボール・マガジン社の『週刊ベースボール』、『大学野球』、『高校野球マガジン』などの専門誌の他、Webメディアでは朝日新聞『4years.』、『NumberWeb』、『ヤフーニュース個人』などに寄稿している。

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