「頂点を、つかむ。」 マリーンズ戦記  タイガース戦 5月29日 初回無死満塁の大ピンチをしのぎ勝利

千葉ロッテマリーンズ
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【千葉ロッテマリーンズ井口資仁監督】

 窮地をしのいだことで潮目は変わった。タイガース戦2連敗で迎えた5月29日のゲーム。この日もいきなりのピンチだった。初回無死満塁。絶体絶命の状況にもマウンド上のロメロは動じなかった。遊撃のエチェバリアが間を入れるように声を掛ける。一呼吸を置いて打者と向き合った。空振り三振。捕邪飛。最後は糸原を中飛に抑えピンチを脱すると、吠えた。絶対に勝つというロメロの闘志がチームに火をつけた。二回に高部の適時打で先制をすると三回には好調のレアードが2点適時打。このリードを守り切り、勝利した。

 「きょうは序盤に点をとれた。その中でロメロがしっかりと投げてくれた。初回はちょっとバタバタしていたけど、二回以降は低めに投げて抑えてくれた。初回あそこでしっかりと抑えてくれたのは非常に大きい。あれで流れがこっちにきた。きょうはテンポよくしっかりと早いカウントでストライク先行しながら投げれた。開幕してから何試合かこの形だった。ようやく自分の形を取り戻せたと思う」

 ベンチで見守った井口資仁監督はマウンドで闘志を前面に出し相手打線と力で封じ込めていったロメロを称えた。6回7奪三振で4月22日以来の3勝目。ここ数試合、不安定な投球となったが、ようやく彼らしい気迫のピッチングが戻ってきたことに手ごたえを口にした。

 タイガース戦で活気を失っていた打線に新しい要素を組み込んだ。開幕から続けていた1番高部を8番に起用し、1番には一軍復帰3試合目となった荻野を抜擢。この新打線がいきなり機能した。二回に高部の適時打で先制。波状攻撃を展開した。

 新打線の意図について試合後の会見で指揮官は次の様にコメントした。

 「一番、二番の荻野、角中が出塁率高い。クリーンアップにつながって下位にどのように回すかを考えた中でのきょうの打線。ウチはコツコツ打っていくチーム。打線の状態も上がっていると思う。荻野と高部は出塁率がいい。どちらかを後ろに回すことで打線の厚みというか線が出来てくる」
 
 効果てきめんにニンマリだ。ZOZOマリンスタジアムで交流戦3連戦を終えて、31日からは神宮でのスワローズ3連戦、東京ドームでのジャイアンツ3連戦とセ・リーグ上位相手とのゲームが続くが、のぞむことろだ。試合後には指揮官の計らいで食堂ではお寿司が振舞われ、大いに沸いた。

 「1週間ビジターが続く。しっかりと先制して先発がゲームを作って長いイニングを投げて勝っていきたい」と井口監督は前を向いた。

 交流戦が始まった05年、そして翌06年と優勝をして「交流戦のマリーンズ」と言われてきた。勝率も12球団2位である。頂点をつかむチームとして、まずは交流戦優勝というタイトルを獲る。そのために負けられない試合が続く。この日、初回満塁の絶体絶命のピンチを気迫でしのいだロメロの投球のように絶対に勝つという強い想いがチームを頂点へと導くはずだ。交流戦はまだ始まったばかり。ここから先、熱きドラマが待っている。
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