Bリーグ2021-22CS特集

初優勝を狙う琉球か、昨年の雪辱を誓う宇都宮か…ファイナルの注目ポイントを解説!/B MY HERO!

琉球ゴールデンキング vs 宇都宮ブレックス

「“聖地・東京体育館”を先に味方につけるのはどちらのチーム?」

レギュラーシーズンでは琉球が2勝。いずれも接戦の末に逆転勝利を収めている 【(C)B.LEAGUE】

入江 レギュラーシーズンでは12月に宇都宮のホームで2度対戦していて、いずれも琉球が逆転勝利で2勝を収めています。どちらの試合でも琉球は第4クォーターでの得点が最も多く、終盤における強さが際立ちます。一方で、一ケタ得点に抑えられているクォーターもあるので、宇都宮の守備が悪いというわけでもないんですよね。ブレックスアリーナ宇都宮でこうした試合ができることが、琉球の強さを表していると思います。

 ただ、宇都宮も当時と今ではチーム状況がかなり異なります。レギュラーシーズンと比べると、CSにおける宇都宮はチームとしても個人としてもかなりレベルアップしている印象です。安齋竜三ヘッドコーチもおっしゃっていましたが、それぞれが自分の仕事を徹底してやっているのが、今の宇都宮の強さの要因だと思います。ファイナルに向けて、非常に強いチームに仕上がっているので、好ゲームが期待できるはずです。

両チームのエースである今村と比江島は、CSに入ってから好調を維持している 【(C)B.LEAGUE】

――注目のマッチアップは?

入江 今村佳太選手(琉球)と比江島慎選手(宇都宮)のマッチアップです。琉球と宇都宮はリーグで一二を争うディフェンス力のあるチームですが、そのなかでオフェンス面をけん引しているのがこの2人だと思います。

 今村選手はまさに覚醒といってもいい状態で、ディフェンス面ではケガで試合に出られない田代直希選手が乗り移っているんじゃないかというくらい素晴らしい。得点面でもCSではかなり好調で、レギュラーシーズンでの平均得点が10.5得点であるのに対して、CSでの平均得点は17.0得点まで上がっています。

 一方で比江島選手も、レギュラーシーズンで平均11.5得点だったのが、CSでは平均17.8得点と飛躍的に上昇しています。さらには2人ともファイナル進出を決めたセミファイナルのGAME2で、今村選手が25得点、比江島選手が24得点とシーズンハイを更新する活躍ぶりを見せました。両者が最高の状態でファイナルを迎えると言っても過言ではないでしょう。

 もちろん、ディフェンスでも手を抜くことなどなく、攻守両面でチームを支えています。各チームがこの2人を徹底マークすることになると思うので、それをどう打ち破っていくのかは見ものです。

――この試合のポイントを一言で表すと?

入江 「“聖地・東京体育館”を先に味方につけるのはどちらのチーム?」です。最初のポイントは「先に」という部分。やはり2戦先勝方式は、初戦を制した方が有利なんです。昨シーズンも宇都宮が有利ではないかという声もあるなかで、千葉が初戦を制して一手上回ったから優勝を手にしたのではないかなと。そういう意味で「先に」1勝を挙げることが大きなポイントになりそうです。

 会場の東京体育館を味方につけるとはどういう意味かというと、やはりファイナルの雰囲気は独特なものがあるので、まずはそこに順応しないといけません。慣れない会場で自分たちの力をしっかりと出し切れるかどうか、つまり「東京体育館を味方につける」ことが一つのポイントになると思います。各チームのファン・ブースターも熱狂的なことで有名ですから、彼らが形成する会場の雰囲気にも注目です。

 最後に「聖地」という部分。東京体育館といえばウインターカップの会場としても有名で、高校バスケの聖地とも呼ばれています。ウインターカップの歴史で思い出されるのは、能代工業高校や洛南高校の3連覇。各チームで主力を担っていたのは、田臥勇太選手と比江島選手。つまりこの2人は高校時代東京体育館で負けたことがなく、この会場に対して非常に良いイメージを持っている2人と言えるでしょう。接戦が予想されますので、もしかしたらこうした要素も勝敗を左右する一因になるかもしれませんね。

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著者プロフィール

日本バスケを盛り上げよう! 2016年に生まれたプロバスケットボールリーグ、「Bリーグ」と時を同じくして立ち上がった、日本バスケの魅力を伝えるバスケットボール専門サイト。男女日本代表、NBA、高校バスケもアツくフォローしています。

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