F1主要4メディアが今季チャンピオンを予想 本命フェルスタッペン、対抗はフェラーリの二人か
本命フェルスタッペン、対抗ルクレールが躍進する
近年、苦しい戦いを強いられていたフェラーリだが、テスト結果は上々。昨年までの苦戦は車両開発に関わるリソースを今季に向けて振り分けていた可能性もある 【Ferrari】
テスト終了段階ではレッドブル、フェラーリなどが速さを見せた一方、王者メルセデスは、まだ“ゼロポッド”(超小型のサイドポッド)の機能性を生かしきれていないところ。
開幕前時点でポテンシャルを推し量るのはまだ難しい。とはいえタイトル獲得で自信を深め、オフシーズンにはチームとの契約を2028年まで延長した新王者フェルスタッペンが、今季も安定した速さ、強さを見せてくれるのではないか。
フェルスタッペンのライバルになり得るのは、シャルル・ルクレール&カルロス・サインツのフェラーリ勢で、今季はルクレール躍進のシーズンになるのではないかと見ている。
去年の表彰台はわずか1回で、3位以上のフィニッシュ回数は僚友サインツ(4回)にも及ばなかった。それでもルクレールは昨季のモナコGP、アゼルバイジャンGPでポールポジションを獲得しており、一発の速さは相変わらず。決勝では不運な展開でポイントを取りこぼしたレースも複数あっただけに、2022年に懸ける思いは強いはず。
一方で革新的な機構を導入してきたメルセデスが、ここから一気に機能性を発揮するようであれば、ここまでの主張はすべて覆されてしまうかもしれない。とはいえハミルトン&ラッセルは、現時点でダークホースの範疇を超えていないのが実情だ。
フェルスタッペン、ハミルトンの一騎討ちは変わらない
技術規則の大変更でマシンが刷新されたことで、チャンピオンを予想するのは非常に難しい。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今年も速さを発揮して抜きん出るのか、それともルイス・ハミルトン(メルセデス)が巻き返すのか。開幕前の二度のテストを見ても、その判断は難しい。
とはいえ昨年激闘を繰り広げたフェルスタッペンやハミルトンがタイトル争いから遠ざかるとは考えにくい。たとえばフェルスタッペンの昨年の成績を見てみると、ハミルトンとの接触でリタイアしたイギリスGPとイタリアGP、タイヤのパンクに見舞われたアゼルバイジャンGP、多重クラッシュに巻き込まれたハンガリーGPを除く18レースの成績は、すべて優勝か2位だ。これだけの安定したパフォーマンスを見せるフェルスタッペンと、近年常にトップレベルにあるレッドブルのクルマのポテンシャルを合わせて考えてみれば、大きく成績を落とすことはないはずだ。
一方のメルセデスも一番の強みである資金力や開発能力に問題はなく、7度の王者ハミルトンの実力と速さが申し分ないのは言うまでもない。昨年に関していえば終盤の3連勝、とりわけブラジルGPでの大逆転勝利がそれを物語っている。
もちろんテストで好調だったフェラーリ勢や、念願のメルセデス昇格を果たしてハミルトンのチームメイトとなったジョージ・ラッセルなどが争いを引っ掻き回すことも考えられる。いずれにせよ、前年型とは大きく変わった今年のマシンを深く理解し、13インチから18インチになったタイヤホイール径に適応することが大前提だが、今年の争いもフェルスタッペンとハミルトンが中心になることは間違いない。
(構成:オートスポーツ編集部)