日本カーリング界の歴史が動いた銀メダル 小野寺佳歩が熱戦続きの北京五輪を総括
吉田知那美と藤沢のバックエンドがチームをけん引
吉田知那美(左)と藤沢(右)のバックエンド(サードとスキップ)の2人が、日本を銀メダルに導いた 【Photo by Lintao Zhang/Getty Images】
藤沢選手につなぐチャンスメイクのショットを決める一方で、バイススキップ(スキップの代わりに指示を出す選手)として藤沢選手のショットに対してのコールが、最初から最後までずっと適切でした。思ったより曲がってしまった時、予想より滑ってきた時など、最善策であるAプランから次善のBプランへの切り替えがものすごく早かったですね。一瞬、遅れるとミスになってしまうケースを彼女のコールでナイスショットに変える隠れたファインプレーが何度もありました。
――最後にスキップである「世界のFujisawa」のパフォーマンスについてもお願いします。
初勝利を挙げたデンマーク戦のダブルテイクアウト(1投で相手のストーンを2つはじき出すこと)をはじめ、藤沢選手でなければ決まらなかったラストロック(後攻のスキップが最後に投げるストーン)、彼女でなければ奪えなかった得点は数えきれません。おそらく本人は悔しさを感じている部分はあるかと思いますが、五輪という世界最高の舞台でショット率80%を超え、全スキップで1位という結果が出ても悔しがれるのは彼女の強さでもあると思います。また対戦するのが楽しみです。
ロコ・ソラーレはライバルであり、カーリング界を盛り上げる仲間
ライバルであるフォルティウス(写真手前)のメンバーたちも、日本選手権でのロコ・ソラーレとの対戦を心待ちにしている 【写真は共同】
いや特には。でも、お父さんにしかできないポジションで、お父さんにしかできない仕事をこなしたんだと思っています。なので、お疲れ様でしたと伝えたいです。ビンドゥンドゥンを買ったらしいのでそれを抱えて、体調を崩さずに無事に帰ってきてほしいです。
――先ほど「また対戦」という言葉がありましたが、次の対戦は5月に小野寺選手とロコ・ソラーレの地元・北見市常呂町で行われる日本選手権ですね。
本当に楽しみです。ロコ・ソラーレの銀メダル獲得は、私たちフォルティウスだけでなく、中部電力さんにも、富士急さんにもいい刺激になったはずです。日本のカーリングのレベルも上がっていますし、「私たちもプレーし続けていればあの舞台に立てる」という励みと勇気をもらいました。また、日本選手権は男子の試合も本当に面白いので、今大会でのロコ・ソラーレの快進撃をきっかけに男子も見てくれるとありがたいです。選手一同、五輪を通じて「カーリングって面白いな」と思ってくれた方にいい試合をお見せしたいと思って頑張ります。
小野寺佳歩(おのでらかほ)
小野寺佳歩(おのでらかほ) 【写真:本人提供】