「希望の光」となったカップル種目の躍進 フィギュア団体初メダルを安藤美姫が解説
チームジャパンをさらなる高みに導くカップル種目
日本らしい衣装と曲でアイスダンスの魅力を多くの人に伝えた小松原美里/尊組 【Getty Images】
私自身はシングルの選手ですが、「アイスダンスはフィギュアスケートの真髄」と思うくらい魅力が詰まっている種目だと思っています。ジャンプはもちろんエキサイティングですけど、ジャンプがなくてもエッジの正確さで魅せられる種目なんてすごいじゃないですか。だから、「フィギュアスケートを楽しむならアイスダンスは絶対に見てほしい!」という思いは変わらず持っていますね。
今後、「ペアやアイスダンスに挑戦したい」という子どもたちが増えてくれたら嬉しいですね。日本のフィギュアスケート界は、ジュニアやシニアの年代になった時にジャンプが跳べないと予選すら勝ち抜けないくらいレベルが上がっています。壁にぶち当たった時に競技を続けるのを諦めようとした子どもたちも実際にたくさんいます。
でも「ジャンプは苦手だけど踊るのは好き」という子にとっては、カップル種目が「希望の光」になると思うんです。それにジャンプができても高難易度はなかなか跳べない、でもサルコウやトウループだったら跳べるという子であれば、ペアに適性があるかもしれません。
フィギュアスケートを始めたばかりの子どもたちや伸び悩んでいる選手の新たな目標として、カップル種目が果たす役割は大きいと思います。今大会の団体戦で将来に光輝くであろうスケーターたちの道しるべを、ペアとアイスダンスの4人に見せてもらったような気がします。
安藤美姫(あんどうみき)
【写真:本人提供】