「希望の光」となったカップル種目の躍進 フィギュア団体初メダルを安藤美姫が解説

久下真以子

チームジャパンをさらなる高みに導くカップル種目

日本らしい衣装と曲でアイスダンスの魅力を多くの人に伝えた小松原美里/尊組 【Getty Images】

 ペアもアイスダンスも以前からある種目ですが、どうしてもシングルに注目がいきがちです。でも団体戦が行われるようになり、フィギュアスケートは好きだけどあまりカップル種目を知らなかった人の目にも映るようになりました。そして、今では三浦/木原組や小松原美里/尊組にスポットライトが当たっています。彼らが活躍することで、「日本にもカップル種目で世界に通用する選手がいるんだ」というアピールになったはずです。魅力を多くの人に知ってもらったという意味では、日本の銅メダルには大きな価値があります。

 私自身はシングルの選手ですが、「アイスダンスはフィギュアスケートの真髄」と思うくらい魅力が詰まっている種目だと思っています。ジャンプはもちろんエキサイティングですけど、ジャンプがなくてもエッジの正確さで魅せられる種目なんてすごいじゃないですか。だから、「フィギュアスケートを楽しむならアイスダンスは絶対に見てほしい!」という思いは変わらず持っていますね。

 今後、「ペアやアイスダンスに挑戦したい」という子どもたちが増えてくれたら嬉しいですね。日本のフィギュアスケート界は、ジュニアやシニアの年代になった時にジャンプが跳べないと予選すら勝ち抜けないくらいレベルが上がっています。壁にぶち当たった時に競技を続けるのを諦めようとした子どもたちも実際にたくさんいます。

 でも「ジャンプは苦手だけど踊るのは好き」という子にとっては、カップル種目が「希望の光」になると思うんです。それにジャンプができても高難易度はなかなか跳べない、でもサルコウやトウループだったら跳べるという子であれば、ペアに適性があるかもしれません。

 フィギュアスケートを始めたばかりの子どもたちや伸び悩んでいる選手の新たな目標として、カップル種目が果たす役割は大きいと思います。今大会の団体戦で将来に光輝くであろうスケーターたちの道しるべを、ペアとアイスダンスの4人に見せてもらったような気がします。

安藤美姫(あんどうみき)

【写真:本人提供】

 1987年12月18日生まれ、愛知県出身。8歳でスケートを始めるとすぐに頭角を現し、2001〜2003年に全日本ジュニア選手権大会で優勝。2002年にISUジュニアグランプリファイナルにおいて、女子選手としては初の4回転ジャンプを成功させ話題となった。2007年、2011年の世界選手権で優勝。2006年のトリノ、10年のバンクーバーと2大会続けて五輪に出場した。現在はプロスケーター、振付師として活躍している。

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著者プロフィール

久下真以子

大阪府出身。フリーアナウンサー、スポーツライター。四国放送アナウンサー、NHK高知・札幌キャスターを経て、フリーへ。2011年に番組でパラスポーツを取材したことがきっかけで、パラの道を志すように。キャッチコピーは「日本一パラを語れるアナウンサー」。現在はパラスポーツのほか、野球やサッカーなどスポーツを中心に活動中。

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