スポーツナビが運営するアプリ「スポナビ 野球速報」で実施され、各試合で最も活躍した選手をユーザー投票によって決める「みんなのMVP」。熱戦が繰り広げられた2021年の戦いの中で一体、誰が最も多く選出されたのか。各球団の「21年シーズンTOP10」を発表する。

　5年連続日本一を目指した“王者”が、まさかの大苦戦。12球団トップクラスの選手層を誇りながらも、主力の相次ぐ離脱、不振によって投打がかみ合うことなく優勝争いから脱落した。それどころか3位争いにも敗れて8年ぶりのBクラス。チームを7年間指揮した工藤公康監督が退任することになった。

　苦しい戦いを強いられた21年シーズン。その中で「みんなのMVP」に最も多く、そしてダントツの回数で選ばれたのは、プロ11年目の柳田悠岐（獲得回数28回）だった。19年オフに7年の長期契約を結び、21年が2年目。開幕から3番、2番、4番と打順を変えながらもフルスイングを貫き、5月までの54試合中11度で「みんなのMVP」に選出。その後も孤軍奮闘を続け、6月24日のロッテ戦（ZOZOマリン）では佐々木朗希から17号ソロを放ち、9回にはトドメの18号。7月11日のオリックス戦（PayPayドーム）でも20号＆21号と1試合2発の活躍で「みんなのMVP」に文句なしで選出。最終的にシーズン141試合に出場し、いずれもチームトップとなる打率.300、28本塁打、80打点の成績をマーク。本人は「ふがいない成績」と振り返ったが、周囲からの信頼度はさらに高いものとなり、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞も受賞した。

　続く2位には栗原陵矢と中村晃（ともに獲得回数11回）の2選手が並んだ。20年にレギュラーの座をつかみ、日本シリーズではMVPの活躍を見せた栗原は21年、内外野のさまざまなポジションを務めながら全143試合にスタメン出場し打率.275、21本塁打、77打点とキャリアハイの成績をマーク。4号ソロを含む3安打2打点の活躍を見せた5月3日の楽天戦（PayPayドーム）、4番として先制タイムリー＆14号3ランでチームを勝利に導いた9月8日の西武戦（メットライフ）などで「みんなのMVP」に選ばれた。

　プロ14年目だった選手会長の中村は、シーズン139試合に出場して打率.245、8本塁打、56打点。8回に勝ち越しタイムリーを放った4月8日の日本ハム戦（札幌ドーム）で初めて「みんなのMVP」に選ばれると、タイムリー2本を放った6月9日の広島戦（PayPayドーム）や初回に満塁弾を放った10月5日の楽天戦（PayPayドーム）などでファンから多くのMVP票を集めた。

　続く4位でも千賀滉大、松田宣浩（ともに獲得回数10回）の2人が並んだ。プロ11年目の千賀は、21年初登板となった4月6日の日本ハム戦（札幌ドーム）で今季初白星＆「みんなのMVP」を獲得。だが、その試合で左足首じん帯損傷の大けがを負って長期離脱を強いられるアクシデントに見舞われた。それでも一時は絶望と言われた東京五輪出場を果たすと、後半戦は登板11試合で9勝＆8度の「みんなのMVP」の快進撃。6年連続での2ケタ勝利も達成した。

　プロ16年目だった松田は115試合に出場。結果的には打率.234、14本塁打、47打点と満足できる成績ではなかったが、タイムリーを含む2安打を放った3月30日のオリックス戦（京セラD大阪）を皮切りに、2号2ランを含む3打点をマークした4月17日の西武戦（メットライフ）、通算300本塁打を達成した9月29日の西武戦（PayPayドーム）などで「みんなのMVP」に選ばれた。

　以下、6位には先発としてチーム2位の9勝を挙げたマルティネス（獲得回数9回）がランクイン。前半戦だけで7勝を挙げる活躍を見せ、トータルでもQS率95.2%、防御率1.60の安定感が獲得回数に繋がった。さらに7位タイで甲斐拓也、今宮健太、武田翔太（いずれも獲得回数5回）の3選手がトップ10入りを果たした。

　上位9人の内訳は「投手3人、野手6人」で野手陣が優勢。それ以上に1位柳田の「獲得回数28回」が目立ち、これは12球団最多の回数。柳田の働きぶりを再認識すると同時に、他の選手たちの奮起も求めたくなる結果となったと言えるだろう。

1位　柳田悠岐　28回
2位　栗原陵矢　11回
2位　中村晃　11回
4位　千賀滉大　10回
4位　松田宣浩　10回
6位　マルティネス　9回
7位　甲斐拓也　5回
7位　今宮健太　5回
7位　武田翔太　5回
7位　該当者なし　5回