ジャルジャル、ラグビーコントは「丸ごと実話」 ネタの宝庫の青春時代【インタビュー・後編】
【写真:山本倫子】
部活がコントのネタ元に
福徳 「部活の伝統、あっさり変える奴」はマジですね。あのままです。
後藤 丸ごと実話です。
――コントでは部員が「チョー!」とあいさつしていましたが、実際もそうだったんですね。
福徳 そうです。廊下で先輩とすれ違っても「チョー!」です。
2人 チョー!(互いにあいさつするように)
後藤 「こんにちはー」から「こんちはー」「こんちゃー」となって「ちょー」へと変わっていったんだと思いますが、僕らもなんの疑いもなく「チョー!」って言っていました。それで新しく若い先生が来て、「チョー!」ってあいさつしたら「なんやそれ」って言ってきて(笑)。コントでやっている若い先生の甲高い声もあのままです。
――それで「チョー」から「こんにちは」にあっさり変えられました。
福徳 高校のときからみんなでコントのような感じでマネしていたんですよ。だからネタとして作り込むのは大変ではなかったですね。
後藤 ただ、前からいた先生と新しく来た若いコーチが合わなかったのか、僕ら練習を2回やっていました。前からいた先生がメインの練習をがっちりやって、終わったあと新しい先生の練習をさらにやる、みたいな。
福徳 前からいる顧問はラグビー経験がなくて、新しく来たコーチはラグビーの経験者。だから「人情」か「技術」か、みたいな(笑)。
――どちらの指導も受けた中で2人の代の戦績は?
福徳 おかげさまで、1回戦負けでした(笑)。でも、今でもどちらの先生ともつながりがあります。
後藤 僕らの代は弱かったですね。100点ゲームを2回されましたし。
――「ラグビー下手な奴」のコントにもモデルはいるんですか?
福徳 あれは僕らが高1のときの高3のキャプテンの人の動きが、めっちゃおもろかったんです。
後藤 その人がうっすらですけど、元になっています。フランカーで、この人もいい人で人情キャプテンだったんですけど、キャプテンをやっている自分が好きという感じがあふれている方で。練習とか試合とかでタックルが届くのに、わざと届かないふりをしたり、そういうのを見ていて。
福徳 その先輩が卒業したあとにマネをよくしていました。
――コントの中での先輩の動きがかなり特徴的でおもしろかったです。
後藤 僕らはレベル的に中途半端なチームだったので、ステップとかも正しいものを教えてもらえないんですよね。トレーニングのやり方もそうですけど、全部自己流でやるので。だから、(コント内の)先輩の動きも雑な仕上がりになっています。
福徳 部活のネタを元にしたコントはほかにもいっぱいあります。「ラグビー」ってタイトルに入っていないだけで、部活内での単純な出来事も含めると10個以上はあると思います。
【写真:山本倫子】
福徳 サインプレーのときのサインがおもしろくて。僕らバックスは「3H(サンエイチ)」とか、「33H(サンサンエイチ)」とか響きが、かっこいいんですよ。バックスは基本、かっこつけなので。でも、フォワードのサインは顧問の先生の名前だったり。
後藤 ハハハハ(笑)
福徳 先生の下の名前が「くにやす」で、それを「K(ケ)ニヤス」とイニシャルに変えたんですけど、バレバレで。
後藤 ラインアウトのサインだったので、ベンチにいる先生の目の前で「ケニヤス!」って言うときもあって(笑)。先輩が考えたサインなので、僕らの代では使っていないんですけど。
福徳 めっちゃおもろかったです。
後藤 先生も気づいているんですけど、リアクションは「無」でした。
福徳 あと、僕らの時代は水を飲むとき、やかんに入れてみんなで回し飲みしていました。だから、年に何回かはみんなでおなかをこわすという(笑)。
後藤 あと、部室にグラビア写真とか貼ったり、ちょっとエッチな本を読んだりするんですけど、チームで一番勉強できるヤツがいて、そいつだけ官能小説を読んでいました(笑)。
福徳 夏休みの2部練のときの、午前と午後の間の休憩時間もめっちゃ楽しかったです。みんなで外で寝たりして最高でしたね。あれより気持ちいいことないなって、たまに思い出しますね。