辻直人×比江島慎の洛南OB対談 “冬の洛南”を担った二枚看板(前編)

比江島(左)と辻(右)はともに洛南高校から青山学院大学に進学。いまもお互いに刺激しあっている 【バスケットボールキング編集部】

 12月23日に開幕したウインターカップ2021。高校生プレーヤーの憧れの的であり、その年の最後に行われる集大成の大会だ。今回、今大会にも出場している洛南高校のOB、辻直人(広島ドラゴンフライズ、2008年卒)と比江島慎(宇都宮ブレックス、2009年卒)による先輩・後輩対談を実施。辻は2、3年、比江島は1年から3年までウインターカップ優勝を果たしているが、2人に高校時代やウインターカップの思い出を語ってもらった。

男子校だったとわかったのは洛南に入学してから

2007年、辻と比江島は中心選手としてチームをけん引し、洛南を連覇に導いた 【写真:アフロスポーツ】

――まずはお二人が進学先に洛南高校を選んだ理由を教えてください。

 僕は最初推薦がきてなかったんですが、思い出作りじゃないですけど中学の顧問の先生が洛南の練習に行ける機会を作ってくださって、一度行かせてもらったことがあったんです。ちょうどその時に推薦枠がまだ空いているということで急きょ推薦をいただけました。願書を出すギリギリのタイミングだったので、滑り込みみたいな感じでした。

――洛南に対してどのようなイメージをお持ちでしたか?

 めちゃめちゃ大きくてめちゃめちゃ強いイメージですね。大阪の高校に通っていた兄が洛南と対戦したことがあって、その試合の応援に行ったんですが、ちょうど竹内兄弟(公輔・譲次)が3年生。ちょっとケタ違いだったので、強いなというかデカくてズルいなって(笑)。

――比江島選手はいかがですか?

 確かユニフォームがカッコいいからっていう理由だったと思います。

比江島 いや、それも理由の一つですけど(笑)、強豪校だし、自分を成長させてくれるかなと思って。

――日本中からスカウトが来ていたのではないですか?

比江島 いや、来てないですよ。地元が福岡なので本当は福大大濠(福岡大学附属大濠高校)とか福岡第一(高校)も選択肢だったんですが、大濠はもう本当に九州のスーパースターたちが全員行っていて、確実に試合に出られないと思ったんです。僕は1年から試合に出たかった。第一も強かったし、留学生がいたので厳しい。それで、福岡から近くて強豪といったら洛南で、洛南だったら正直試合に出られるだろうと。

 (笑)

――ミニバスの頃から有名で、全中でも活躍した比江島選手が来ることをどう思いました?

 なんか「ヤバいのが来る」みたいなことは聞いていたんですが、来た時は比江島のことがわからなくて、本人にいろいろ聞いた覚えがあります。結構近い距離で話したんですが何も聞き取れなくて、聞き直したのも覚えてます(笑)。

――当時に比べると今はかなりしっかり話せるようになった感じですか?(笑)

 そうですね。まだちょっともどかしいというか、ソワソワしてすぐ鼻とか顔を触ったりするのは直ってないですけど。もう1ステップ2ステップ成長が必要かなと思います(笑)。

――比江島選手は高山全中(全国中学校バスケットボール大会、岐阜県高山市で開催)でケガをして、思い通りにプレーできず負けてしまったわけですが、その分、高校で日本一になるんだっていう思いはやはりありましたか?

比江島 そうですね、不完全燃焼で終わっちゃったんで。しかも、負けた相手の主力選手2人が大濠に行ったというのもあったので、日本一もそうですけど大濠にだけは負けたくないというライバル心も抱きながらやっていましたね。

――洛南高校はお寺の横に校舎があったり、いかにも京都らしい環境ですが、当時はどう思いました?

比江島 うーん、その時そこまでお寺に興味がなかったんで感動した覚えはないですが、てっきり共学だと思っていたので、共学じゃなかったんだっていう衝撃のほうがすごかったです。たまたま僕の代から共学になったんですけど。

 そういうことは普通調べてから行くもんやろ。

比江島 選手も誰がいるか全く知らずに行きましたからね。誰一人知らなかったです(笑)。

 アホですよ(笑)。

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