【YouTube企画】八木裕×桧山進次郎「代打の神様」対談

なぜ阪神から“代打の神様”が生まれるのか 八木裕と桧山進次郎が語る代打職人の奥義

前田恵

阪神タイガース「代打の神様」の伝統を受け継いできた八木裕氏(左)と桧山進次郎氏(右)。「なぜ阪神から“代打の神様”が生まれるのか」というテーマなどについて語り合ってもらった 【スリーライト】

 阪神タイガースには時代と共に幾重にも紡がれ、織り重ねられてきた伝統がある。その一つが、「代打」。タイガースには単なる“ピンチヒッター”ではない、『代打の神様』が歴代、ベンチに鎮座しておられるのだ。そんな“元神様”である八木裕氏と桧山進次郎氏の2人が代打について、今季のタイガースについて、スポーツナビ公式YouTubeで大いに語り合ってくれた。その一部を、ここで紹介していきたい。

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代打を重んじる甲子園のファン

阪神タイガース「代打の神様」の起源は遠井吾郎氏までさかのぼる。(1976年10月13日、甲子園。巨人の小林繁投手から同点2ランホームランを放つ代打・遠井吾郎氏) 【写真は共同】

――他球団に『代打の切り札』はいても、『代打の神様』と呼ばれるのはタイガースだけのような気がします。なぜタイガースから『代打の神様』が生まれるのでしょうか?

桧山 確かにタイガースしか『代打の神様』って言わないですよね。

八木 遠井吾郎さんに始まり、川藤(幸三)さん、真弓(明信)さん、俺、桧山、関本(賢太郎)、狩野(恵輔)、原口(文仁)……。その代々の始まりがね、遠井さんにしても川藤さんにしても、いかにも関西の人が喜ぶような風貌かつ、立ち居振る舞いができる選手だった。ファンは「待ってました、川藤!!」って言えるじゃない。

桧山 言うてましたね。「春団治!!」って(笑)。

八木 そういうものがタイガースには、甲子園球場にはあるのよ。その流れを受け継いできているから、ファンもマスコミも、代打を重んじてくれる。期待し、大事にしてくれる。

桧山 甲子園球場で、ファンと共に作り上げてきたというところですかね。

八木 普段レギュラーとして試合に出ていなくても、その選手が出てきたら大きな拍手で迎えてくれる、温かいファンが甲子園には大勢いるわけですよ。そういう場所だから、『代打の神様』が生まれてきたんじゃないかと俺は思うんだけど、桧山はどう?

桧山 僕は先輩方が切り拓いてくださったところに、あとからポーンッと付いていった感じですから。「次は誰が(代打の神様に)なるんだ」という雰囲気が、すでにありました。だけど実際、遠井さんに始まって川藤さん、真弓さんの頃までは『代打の切り札』と呼ばれていた。『代打の神様』と言われ始めたのは、八木さんからですよね。

八木 うん、そやな。なんで『代打の神様』と呼ばれるようになったかというと……。

 ここから2人の会話は、“神様の起源”に迫っていく。その意外なオチ(!?)は、スポナビ公式YouTubeに譲ろう。

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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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