ステインは元々セルティックの選手でした。1951年に加入した当初、ベテランのディフェンダーであった彼は、予備軍の候補生を叩き潰すという実戦的な仕事を期待されていました。しかし運命のいたずらで、スタインはトップチームの最前線に立たされることになり、主将にまでなったのです。

　後に1956年に怪我の影響で引退しましたが、クラブはスタインの中で何かが煮えたぎっていることに気づき、若手のコーチングの仕事を与えました。その後ダンファームリンやハイバーニアンの監督で経験を得た彼は、1965年にセルティックの監督としてクラブに戻り、多くの功績を成し遂げてきたのです。

　ジョック・ステインがセルティックパークに残した遺産は、彼がクラブを去ってから43年後、そして彼の死から36年後の今でも畏敬の念を抱かせるものです。

　ライバルチームのレンジャーズファンでさえ、ステインへの追悼のために1分間の黙とうを行いました。彼が亡くなった後の最初の試合、9月14日（土）のことでした。

　この偉大な人物の葬儀で、ハイ・カーティン教区教会のジェームズ・マーティン牧師は以下のように述べています。

「これは、ジョック・ステイン氏への賛辞を長々と述べるための機会ではありません。すでに多くの賛辞が寄せられていますし、これからも多くの賛辞が寄せられるでしょう。しかし、私たちがここに集まったのは、彼に感謝し、大きな悲しみと極度の必要性を経験する中で、神の慰めと助けを求めるためです。」

「今日、私たちが追悼しているのは、実際には2つの面を持つ男性です。ジョック・ステイン氏は、サッカー界の比類なき天才であり、世界中で知られ賞賛されています。スコットランドのフットボールとファンのために多くのことをしてくれました。彼がいなくなることは、悲しくて仕方がありません。」

「一方でジョック・ステイン氏は、夫であり、父であり、祖父であり、叔父であり、甥であり、従兄弟であり、友人であり、同僚であります。心温かく寛大で、思いやりがあり、愛情深く、愛されています。彼は、長年にわたり、彼を知る多くの人々の人生を豊かにしてくれました。ジョン・スタイン氏と知り合えたことを光栄に思います。」

「今日、追悼の意を表した多くの感動的な賛辞の中でも、個人的には、亡くなった現地カーディフのテレビでインタビューを受けたスコットランドファンの言葉ほど感動的なものはありませんでした。それは‟今夜は素晴らしい結果だったが、ここにいる全員がスコットランドがW杯の出場を逃し、ステイン氏がまだ我々と一緒にいてくれた方がよかったと思っている“という内容です。そのファンは、私たち全員の気持ちを代弁してくれたのです。」

「でもね、本当の意味で、今日私たちが追悼している彼はまだ私たちと一緒にいるんです。ジョック・ステインは、サッカーが存続する限り私たちと共にあります。例えば、彼の指導や影響を受けたサッカー選手たちもそうです。ジョック・ステイン氏は永遠の存在です。」

「今日の私たちにとってさらに重要なことは、ジョック・ステイン氏は、彼の友人や家族の記憶や生活の中に、そして彼が楽しみにしていたものの生きて見ることができなかった孫との生活の中にも、私たちと一緒にいるということです。」

「今は悲しみと喜びの時であり、嘆きと感謝の時でもあります。そして、神の慰めと力を求める時なのです。私たちは今、詩篇23篇の中で、神の思いやりのある愛を一緒に歌います。」

以上は、ジョック・ステインへの賛辞として書かれた何千もの言葉のほんの一例に過ぎませんが、ニニアン・パークの外の歩道に置かれた花束に書かれた以下の賛辞ほど、その気持ちをよく表しているものはありません。

「ジョック! 英雄は永遠に生き続ける」