プロ野球・チーム別前半戦MVP

岡田彰布が選ぶ、セ・リーグ前半戦MVP 阪神がこのまま逃げ切る可能性は?

大利実

オリンピック休みは野手に不利?

2008年、最大13ゲーム差をひっくり返され巨人に優勝をさらわれた岡田・阪神。今年はこのまま逃げ切れるのか? 【写真は共同】

――これからオリンピックで、およそ1カ月の休みが入ります。選手にはどのような影響がありそうですか?

 バッター出身の俺から言わせてもらえれば、ピッチャーがバテる夏に試合がないのは不満やわ(笑)。ここで打率を稼ぐときだから。ピッチャーは休めるから、ありがたいんじゃないかな。

――2008年、阪神の監督をされていたときには、前半戦は1位で折り返しながらも、北京五輪後に失速した苦い経験もあります。阪神が逃げ切るために、何か助言はありますか?

 13ゲーム差をひっくり返された俺に聞くなって(笑)。今年に関しては、「2位と8ゲーム開いたぐらいでは、独走とは言えんよ」とずっと言っていたんだけど、本当にその通りになった。先は長いから、ゲーム差を詰められても、慌てることはない。ファンの方も1年間ずっと心配していたら体が持たないから、まだそんなに焦る必要はありませんよ。

――ズバリ、阪神優勝の可能性はどのぐらいでしょうか?

 開幕前から、巨人との一騎打ちを予想していたけど、今は6対4で阪神有利。阪神がそこまで落ちる要素がないからね。巨人のキーマンになるのは菅野。フル回転できたら、5対5になるかな。

――阪神対オリックスの日本シリーズもありえるでしょうか?

 十分あるでしょう。オリックスは本当に強い。ただ、俺が監督をやっていたときにも貯金10ぐらいまでいったけど、「ひょっとしたら優勝できるんちゃうんか」となってから、勝負所で負けていった。これが、優勝経験が少ないチームなのかな……と。そこだけが心配やね。ぜひ、日本シリーズでの対決を見てみたいね。

(企画構成:株式会社スリーライト)

岡田彰布(おかだ・あきのぶ)

1957年生まれ。大阪府出身。北陽高(現:関西大学北陽高)から早稲田大を経て、80年にドラフト1位で阪神に入団。1年目からスタメンを獲得し、新人王を受賞。85年にはバース、掛布雅之とクリーンアップを形成し、今も伝説として語り継がれるバックスクリーン3連発を放つなど大活躍。阪神をリーグ優勝、日本一へと導いた。94年にオリックスへ移籍し、95年に現役引退。引退後はオリックス二軍コーチ、阪神二軍監督を経て、2004年に阪神の監督に就任。05年にはリーグ優勝に導き、08年に退任。10年から12年まではオリックスの監督を務め、阪神時代を含め数多くの名選手を育て上げた。現在は野球評論家として新聞・テレビなど幅広く活躍している。

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著者プロフィール

1977年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、スポーツライター事務所を経て独立。中学軟式野球、高校野球を中心に取材・執筆。著書に『高校野球界の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意』『中学野球部の教科書』(カンゼン)、構成本に『仙台育英 日本一からの招待』(須江航著/カンゼン)などがある。現在ベースボール専門メディアFull-Count(https://full-count.jp/)で、神奈川の高校野球にまつわるコラムを随時執筆中。

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