見事アジア人初のマスターズ制覇を果たした松山英樹プロ。プレースタイルもさることながら、松山プロが使用するクラブに注目した人も多いのではないでしょうか。今回はマスターズで実際に松山プロが使用したクラブセッティングを解説します。

同社契約の松山プロがZX5・ZX7を使用してテストを繰り返し、ツアーでも使用して活躍していることで、今注目されているドライバーです。

特にZX5は、まさに今の海外ブランドの主流で、できるだけ直進的で、シンプルに飛距離を追求したい人向けのクラブ。構えたときはシャープで振り抜きやすいイメージを持ちながら、実際打ってみると曲がりにくいギャップのあるクラブだと思います。そこのギャップをしっかり理解してれば、気持ちよく構えられて結果も出る、非常に考えられた上級者にオススメのクラブです。

SIM2フェアウェイウッドは、ZATECHチタン素材を使用していて、前作SIMよりも低重心化されているのが特徴です。

飛距離がアップしたというよりはもともとすごく飛ぶフェアウェイウッドなので、前作より球が上がりやすくなったという印象です。ヘッドサイズが前作より小さくなったので、より上級者が好む操作性の良さそうなモデルに仕上がっています。

ユーティリティ：テーラーメイド「SIM UDI」

ツアープロの知見を元にデザインされたドライビングアイアンです。フェアウェイ、ユーティリティ、またロングアイアンの代わりに使える1本です。

アイアン：ダンロップ スリクソン「Z-FORGED アイアン」

「現代のマッスルバック」みたいな作りが特徴で、シャープな形状のフラットバックタイプ。 操作性にすぐれています。

ウェッジ：クリーブランド「RTX 4 FORGED ウェッジ」

スピンや打感、許容性ふくめて、すべてにこだわっている軟鉄鍛造ウェッジです。フェース面積を拡大しており、よりフェースセンターに近い重心位置を実現し、抜群のコントロール性能を発揮します。

初速も出て、ほんの少し打ち出しが高い感じがするボール。高弾道でスピンを減らして飛ばしたい人におすすめです。

ゴルフライター鶴原弘高さんのコメント

スリクソンの「ZX5 ドライバー」は、構えやすさに注力して開発されたモデル。松山プロは、フェースのトップラインがまっすぐに見えるドライバーが好みだそうで、開発時には松山プロ自身の要望を取り入れながら細かい調整をして作り上げたと聞いています。

前作で採用していた実績のあるカップフェース構造を取りやめて、それに代わる新たなテクノロジーであるリバウンドフレームという構造を採用したのも、構えやすさを優先するためだそうです。そのうえで前作よりもボール初速が向上していのですから、非常に完成度の高いドライバーだといえるでしょう。

「ZX5 ドライバー」は直進性の高さも魅力です。アマチュアが使っても性能の高さを享受できます。

クラブフィッター小倉勇人さんのコメント

飛距離よりも狙ったところに確実に打ち出し、正確なスピンコントロールが要求されるオーガスタナショナルに合わせたセッティングですね。

FWはボールの上がりやすいチタン素材のモデルで飛距離と安定性を両立、UTはアイアン型1本でよりボールの制御を重視したのだと思います。

アイアンはスピンコントロールが容易なマッスルバックにウェッジ4本体制。いろいろなライに対応するための最良のセッティングでしょう。

ティーチングプロ石井良介さんのコメント

今回、マスターズトーナメントで歴史的な快挙をあげた松山プロの使用クラブですが、基本的には一度決めたらあまりクラブは変えないプロという印象です。

ドライバーは一時期、何種類も変えていましたが、スリクソンのドライバーになってからは落ち着いて使っています。ここが落ち着いたのも一つ好材料だったのかもしれません。

※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。