F1 2021年シーズン開幕特集

F1専門メディア 角田裕毅の実力に太鼓判「歴史塗り替える」「トップを目指せる」

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常にトップ10を狙える位置にいるだろう

F1公式テストでは総合2番手タイムを記録。テストとはいえ、角田とマシンの実力は申し分ない 【Photo by Joe Portlock/Getty Images】

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 若干20歳、レッドブル首脳陣から高い評価をされている角田裕毅だが、F4以来チャンピオンは獲得していない。本当に世界のトップドライバーたちを相手にF1で戦える逸材なのか? 答えは「イエス」だ。

 現役ドライバーには、4人で14回ものタイトルを獲得したF1チャンピオンがいる。7冠のルイス・ハミルトン(メルセデス)、4冠のセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)、2冠のフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、そしてキミ・ライコネン(アルファロメオ)。さらにレース優勝者を合わせたらもっと増えるが、こんな猛者たちと角田は同じ土俵で戦うことになる。

 F1公式テストに登場した角田は、最終日に総合2番手タイムという好結果を残した。

 もちろん全チームのテスト内容は隠されているし、燃料の軽い状態で本気のアタックをしていないドライバーが多いとはいえ、F1チャンピオン経験者や優勝経験者が多数参加している中で、ルーキーが2番手になるのは簡単なことではない。そして結果を出すには2つの条件が必要になるだろう。

 2つの条件とは、「マシンの素性の良さ」と「ドライバーの能力の高さ」だ。マシンが良くても、ドライバーとしての能力が高くなければ好タイムは残せないし、逆にドライバーが良くてもマシンが悪ければタイムは出ない。

 つまり、角田とアルファタウリ・ホンダは、どちらの能力も高いということだ。もちろん予選やレースでいきなり2番手になれるほど甘い世界ではないが、このままいけば常にトップ10を狙える位置にいるだろう。

デビューシーズンから表彰台を期待できる

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 ここまで順調にステップアップしてきた角田裕毅でも、F1のマシンに慣れるのは時間がかかるだろう……いや、かかって当然、と想定していた。

 しかし、プレシーズンテストで見せたラップの刻み方からして、すでにF1の舞台で結果を残せるほどの力を有しているように見えた。角田はF3、F2でも最初のうちは適応するまで時間を要しつつ、徐々に安定感を発揮して大きな成長を遂げてきたドライバーだ。だが、F1の舞台では開幕前からマシンをモノにしているようにも思える。

 アルファタウリのフランツ・トスト代表が「開幕戦までユウキは3500〜4000キロは走行経験を積むことになる」と口にしていたように、角田は(2年落ちのマシンで)イモラやミサノでも順調に周回を重ねてきた。それが早くも生きているのかもしれない。

 そして角田の持ち味であるタイヤの持たせ方、ブレーキングのセンス、冷静沈着なハートは、F1でも際立ったスキルとなるはず。表彰台に上がる4人目の日本人F1ドライバーに、デビューシーズンからなるのでは。そうワクワク感を抱きながら、シーズン開幕を心待ちにしている状況だ。

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