連載:#BAYSTARS - 横浜DeNAベイスターズ連載企画 -

三浦大輔監督、船出への新春の誓い 新生ベイスターズでの“夢の続き”

村瀬秀信

選手・スタッフ、そしてファンを“結束”へ

ファームでの監督経験が三浦監督には大きな経験となったようだ 【(C)YDB】

 就任会見でも、優勝するためにチームの課題として“結束”を呼びかけた。優勝した98年マシンガン打線の連鎖的結束。そして、ここ数年のファミリー的な結束が結果を残し、その逆もまた然りであったこと。昨年のファーム監督での経験も、選手・スタッフがまとまれば結果はついてくるという実感を得られたことが最も大きな収穫だったという。

「もちろん、1軍とファームでは選手の力の差もあるし、監督・コーチの役割も違うんですが、チーム全体が勝つために結束する空気。あれがないと強くならないということは間違いない。優勝するために、特定の誰が頑張ればいいというんじゃない。1軍・ファームの選手、コーチ陣や裏方さん、球団スタッフ。それこそ中心選手から寮のコックさんまでベイスターズに関係するすべての人間が優勝というものを見据えて結束し、自分のやるべきベストを尽くせたら、ベイスターズは確実に強くなっていきますよ。就任会見でファンの方に『力を貸してください』と言ったことも、その力の大きさを実感として分かっているからです。昨年は無観客(試合)も経験していますから、なおさらですよね。

 横浜DeNAベイスターズというチームは例えるなら一隻の船です。これから出航となりますけど、どんな嵐が来ても、優勝という同じ目標を皆が向き続けて進めるかどうか。実際、口で言う以上に困難だとは思いますが、1年間、この船にみんな乗り続けてほしいと、願っています」

泥水でもすする覚悟

“番長”が考える監督像とは? 意外な言葉がかえってきた 【花田裕次郎/ベースボール・タイムズ】

 船の舵取りは指揮官の仕事。しかし、三浦大輔が思い描くのは、番長というネーミングが示すような、圧倒的なカリスマ性でチーム全員を引っ張っていくものではない。もともと、圧倒的な身体能力に恵まれたわけでもないドラフト6位。繊細なコントロールを身に付けた努力と二段モーションに代表される工夫で、暗黒の荒野から一流選手にのし上がってきた。思うようにいかないのが当たり前。泥水でもすする覚悟で船を前に進める。

「チームを引っ張るといっても、僕ひとりでは何もできませんからね。技術を教えるのはコーチ。プレーをするのは選手。僕は飾りでいいんです。神輿(みこし)としてみんなに気持ちよく担いでもらえるように、選手やコーチ、球団、いろいろな人たちと積極的にコミュニケーションをとる。仕事だけでなく、世間話でもいいんです。風通しをよくして、いまその人が何を考えているかをちゃんと理解して、普段から信頼を積み重ねていくこと。そういう基本的なところを大事にしていきたいと思っています」

 やはり“番長”という皮を被ったとんでもない聖人である。三浦大輔はベイスターズの行く末に何を見据えているのだろうか。

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著者プロフィール

1975年8月29日生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身。プロ野球とエンターテイメントをテーマにさまざまな雑誌へ寄稿。幼少の頃からの大洋・横浜ファン。

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