ピルロ新監督の就任に期待と不安… 来季ユヴェントスの行末はどうなる?

エルゴラッソ

"監督"ピルロとしての魅力とロマン

 実際現在所属している選手でいうと、GKジャンルイジ・ブッフォンが自身のTwitterで「僕は今日から君のことをミステル(監督)と呼ばないといけないのかい!?」と愛のあるジョークを投稿し、新監督の就任を歓迎している。42歳と新監督より1歳年上ながらも未だ現役としてクラブを支えるブッフォンをはじめ、他にもDFのジョルジョ・キエッリーニやレオナルド・ボヌッチといった現役時代プレーをともにしたベテラン選手が多く所属していることは監督ピルロにとっても心強いはずだ。

 チーム内ではないが、ユヴェントスOBの元イタリア代表FWアレッサンドロ・デル・ピエロは、イタリア衛星放送『Sky Sport』で今回のピルロ監督就任について言及し、「ピルロは優れたポテンシャルを持ち、環境、選手、そしてユヴェントスというクラブを知っている。就任は驚きだったけど、彼が素晴らしいことを成し遂げることを私は祈っているよ」とエールを送っている。OBが味方であることで、外野の雑音を少しでも減らすことができるのも、若き新監督にとっては有難いはずだ。

 そのピルロ監督は自身のTwitterで「ユヴェントスからこのような尊敬と信頼を得られたことを非常に嬉しく、光栄に思う。この素晴らしい機会に備えるよ!」と抱負を述べている。

ピルロ・ユヴェントスの展望

 昨季のユヴェントスはサッリ前監督の元、リーグ9連覇を果たしたものの、2位インテルとの勝ち点差はわずかに1。勝ち点、敗戦、失点はこの9年で最低の記録となった。インテルとミランのミラノ勢は復活の兆しを見せており、リーグ最多となる98得点を記録し3位でフィニッシュしたアタランタや、公式戦でユヴェントスに2度の土をつけ終盤まで優勝争いを演じた4位ラツィオも着実に力をつけてきている。

 各クラブ間の実力差は確実に縮まってきており、今のユヴェントスはもはやセリエAにおいて絶対的な存在とは言い難いのが現状だ。加えてサッリ前監督解任の引き金となったチャンピオンズリーグのラウンド16での敗退も、欧州制覇を目指すクラブとして大きな課題を突きつけられた。こうしたチーム状況において新監督が抱える課題は多いが、来季はまずリーグ10連覇を達成することがピルロ新監督のミッションとなるはずだ。

 ギャンブルとの声もある今回のユヴェントスのピルロ新監督招聘(しょうへい)。選手時代同様に的確にチームをコントロールできるのだろうか。来季のユヴェントスは例年以上に見どころが多く、目の離せない存在になる。

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著者プロフィール

サッカー新聞エル・ゴラッソ。通称エルゴラ。国内外の最新サッカーニュースを日本代表の番記者、J1・J2全40クラブの番記者、海外在住記者が、独自の現地取材をもとに、いち早くお届けします。首都圏の駅売店およびコンビニエンスストア・関西地域の主要駅売店にて発売中。

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