WSD歴代編集長が選ぶ「史上最高の名手」 初代・粕谷秀樹氏、9番は“バティ推し”

構成:YOJI-GEN

若いファンにとっては2列目中央の選手かな…

デニウソンにこだわる吉田氏もロッベンの選出に賛同。故障を繰り返しながら、昨季をもって35歳で引退するまで、そのスピードと技術は衰えなかった 【Getty Images】

大類:次はドリブラーです。ここはメッシですかね。

吉田:ロナウジーニョのドリブルは鮮烈だったけどな。クラシコでのドリブル。こんな選手がいるんだなって思ったよ。まあ、マラドーナは別格として。

粕谷:別格だな。

吉田:この話、しましたっけ? 大学の時、芸術の試験で「美しいもの」について作文を書くことになって、「マラドーナのドリブル」を題材にしたんです。「A」をもらいました。

大類:それでこの道を選んだとか(笑)。

粕谷:ハハハ

吉田:その時は思ってないって。

粕谷:俺は(ライアン・)ギグスだな。FAカップ準決勝でのプレーは衝撃だった。英国系の選手でこんなドリブルをする選手がいるのかって。

大類:創刊号の表紙はギグスでしたっけ?

粕谷:いや、2号目かな。読者から「この選手は誰ですか?」って質問が来て、ショックでさ(苦笑)。

吉田・大類:ハハハ

大類:ドリブラー色が強い選手ではデニウソンとか。

吉田:あの頃のベティスはいいチームだったよな。左がデニウソンで右がホアキン(・サンチェス)。

大類:トップがアルフォンソ(・ペレス)でしたね。

吉田:そうそう。

粕谷:(マルク・)オーフェルマルスも印象深いな。相手に突っかけていく感じで。逃げずにドリブルで勝負するんだよな。

大類:オランダはああいうウイングが出てこなくなりましたね。

吉田:(アリエン・)ロッベンは?

大類:あっ、ロッベンがいましたね。

吉田:右サイドからカットインというのが定番だったから、純粋なウイングではないか。とにかくケガが多かったよな。

大類:逆足のウイングはロッベンが先駆者ですよね? たしか、レアル・マドリーでの最後のシーズンからです。それまでは左サイドで起用されてました。マドリーと言えば、(エデン・)アザールはどうでしょう?

吉田:最近はすごいよ。ターンのキレなんか抜群。3人くらいに囲まれても平気で仕掛けるし。この前、ケガをしちゃったけどね。

粕谷:身体が絞れてから良くなったよな。アザールのプレーを見るだけでも、マドリーの試合を見る価値があるよ。

大類:ゴールゲッターで名前が出たロナウドのドリブルもすごかったですよね。

吉田:中央から崩すタイプだよね。持ち上がって。カカなんかもそうだった。

大類:あとは(ジョージ・)ウェアとか(アンドリー・)シェフチェンコとか。

粕谷:さて、どうするかな。ギグスを推したいけど、若いファンにとっては2列目の真ん中の選手ってイメージかもな。そうなると、ロッベンかな……。

吉田:僕はデニウソンですね。ロナウジーニョも捨てがたいけど。

粕谷:ロナウジーニョは、確かにな。

吉田:ロッベンでいいんじゃないですか。僕はデニウソンですけど(笑)。

粕谷:そういうこだわりは好きよ(笑)。

■WSD歴代編集長が選ぶ史上最高のドリブラー
アリエン・ロッベン(R・マドリー、バイエルンなど)

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あだ名からはハンターという感じが(笑)

カンテもほぼ同等の評価ながら、銀河系軍団を陰で支えたマケレレが「最高のボールハンター」に。チェルシー時代には、守備に専心する中盤底のポジションを称した「マケレレ・ロール」という言葉が生まれた 【Getty Images】

粕谷:次はボールハンターか。これが一番悩むな。

大類:ディフェンダーも挙がりますけど、連想するのは(クロード・)マケレレ、(エンゴロ・)カンテのタイプですよね。

粕谷:ん〜、個人の力でボールを奪うということならカンテなのかな。でも、周りの力も借りながらハントする能力なら、(パトリック・)ビエラかもしれないね。なんにしても、ここは中盤の選手がよくないか。

吉田:そうですね。

粕谷:今シーズンだったら、(ウィルフレッド・)エンディディはいいけどね。レスターの。

大類:(ジェンナロ・)ガットゥーゾなんかはちょっと違う気がしますよね。

吉田:ガットゥーゾは「闘犬」で、(エドガー・)ダービッツが「猟犬」でしょ。あだ名からはボールハンターという感じがするぞ(笑)。

粕谷:ハハハ。安直だな。

大類:やっぱり、マケレレかカンテですかね。

吉田:カンテは攻撃にも参加するからな。守備専業ということならマケレレじゃないか。

粕谷:そうね。「マケレレ・ロール」という言葉ができたくらいだし。敬意を払ってマケレレかな。

吉田:あのチーム(銀河系軍団と呼ばれた当時のマドリー)の中盤を支えていたわけですからね。

大類:(マルコス・)セナもボールハントの名手でしたよね。吉田さんが取材に行った時でしたっけ? セナを大会MVPにしましたよね? スペインが優勝した時だから、2008年のEUROですか。

吉田:そう、08年。すっごい地味な選手だけど(笑)。

粕谷:ディフェンダーだけど、(フィルジル・)ファン・ダイクは簡単にボールを奪うよね。でも、今のように前からのプレッシャーがないなかでさらりと奪っていた(パオロ・)マルディーニとか(アレッサンドロ・)ネスタは、改めて考えるとすごいよな。

■WSD歴代編集長が選ぶ史上最高のボールハンター
クロード・マケレレ(R・マドリー、チェルシーなど)

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