J1初優勝へ、チーム内で「東京愛」強まる 三田啓貴と矢島輝一が好調の一因を語る
三田「東京の応援スタイルがいちばん好き」
FC東京の魅力を語る二人からは、クラブへの愛情があふれていた 【浦正弘】
矢島 チャントがおもしろいなぁ、と思って。頭に残っちゃうんですよね。
三田 応援がいいよね。
矢島 小学校に行くときに歌いながら通っていました(笑)。それで「あの応援歌を聴きに行きたいな」と思ってあらためて観たら試合もおもしろいし、そこからハマりましたね。
三田 東京の応援スタイルがいちばん好きですね。アキくん(林彰洋)が対戦相手だったときは、(サポーターが)煽っていたこともあった(笑)。ああいうの、もっとやっていこうよ!
――ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)初優勝は覚えていますか?
矢島 覚えていますよ。PK戦の最後、加地(亮)選手が決めたんですよね。アドバンスクラス(FC東京スクールの選抜クラス)では長野県の木島平で毎年大会をやっていて、その夜に団体で一発芸をやる恒例行事があるんです。アミノバイタルスクールで一個、深川スクールで一個なんですけれど、深川がそのナビスコ決勝のPK合戦をまるまる完コピ、っていうのをやっていて。ものすごくおもしろかったのを覚えています。解説役もいて。
三田 エメルソン選手(当時浦和レッズ)がめちゃくちゃエグかったときね。ジャーン選手が退場して、茂庭(照幸)選手に血尿が出たという……知ってる?
矢島 それは知らなかったです。本当ですか。
三田 キツすぎ(笑)。
2004年のナビスコカップ(現ルヴァンカップ)初優勝は、下部組織の一員として見届けた三田と矢島 【(C)J.LEAGUE】
三田 めっちゃうれしかったです。味スタの祝勝会も行きましたもん。ジュニアユースのみんなで行った。
矢島 ぼくは2009年の2回目の祝勝会は行きました。サリさん(浅利悟)が泣いたやつ。引退のシーズンだったんだけれど、決勝はベンチ入りできなかったんです。
三田 それサリさん言ってたわ。「でも優勝したからね、ヨネ(米本拓司、現名古屋グランパス)が点を取って」って。
――うれしさの度合いは?
矢島 うれしいですけれど、人生の中でのランキングには入ってこないですね。自分がピッチに立っていないから。
下部組織出身だからこそ、先輩たちの思いも間近で感じてきている 【浦正弘】
最後の1秒まで――
三田 優勝したいね、だからこそ。リーグが一番重要だもんね。
「リーグ優勝したいね」と三田 【浦正弘】
三田 リーグ戦を優勝するのが一番難しいでしょ。
矢島 年間を通して強くないといけないですもんね。
――おそらくホームゲーム残り2試合の結果が優勝に結びつきそうなところまで来ています。ホーム・味スタに戻ってきての気持ちをお願いします。
三田 なんだろう……。やっぱり気になっちゃいますけれど、周りの結果とか。そういうのは抜きに、自分たちの戦い次第で優勝できるか否かが変わってくると思うので。本当に、一戦必勝のつもりで戦っていく、自分たちが試合に勝てばいいという、そういう気持ちで戦うしかないと思っています。
――シーズンの終わりでもあるし、最後は倒れるまで走る、みたいな覚悟があるのでは?
三田 「最後の1秒まで」戦う。それが今、このチームの力の源になるところだと思っているから、自分自身もみんなの強度についていかないといけないと思っています。それが今年のベースだと思うから、それは当たり前のように毎試合やっていかないといけないと思っています。
――矢島選手は最後のワンチャンスをゴールに結びつけたり、最後のひと追いでプレッシャーをかけて試合を終わらせたり、そういうものを最後の瞬間に出していかなければという気持ちはありますか?
矢島 やっぱり今年ずっと出ている選手に比べると、チームへの貢献度という部分では勝てないので、最後にどう優勝に貢献するかと言ったら、質の部分です。1分だったら1分にすべてを出し尽くすというところしかできないと思う。それをやってやろうというメンタリティーは準備できているつもりなので、あとはそれを味スタで表現するだけです。
矢島は「最後の1秒まで自分を信じて戦う」ことを誓った 【(C)J.LEAGUE】