豪州最大GIで偉業なるかメールドグラース 勝てば140年の歴史で12頭目のダブル制覇
距離延長と2番目に重いハンデ56kgが勝負の分かれ目
オセアニア域外から初のカップ・ダブルを目指すメールドグラース(手前・赤帽)(写真は前走コーフィールドCのもの) 【Photo by Getty Images】
ともにハンデ戦のコーフィールドCとメルボルンCを同一年に制すことはカップ・ダブルと呼ばれ、これまで140回以上の歴史の中で11頭しか達成していない。直近でも2001年のニュージーランド調教馬エセリアルを最後に途絶えている難業だ。それ以降のコーフィールドC優勝馬でメルボルンCにも出走したのは12頭。しかし、最高着順は2004年エルヴストロームの4着で、同馬を含め10着以内でさえ5頭しかいない事実からも、メールドグラースの挑戦が一筋縄では行かないことがわかる。
そのメールドグラースはコーフィールドCで出走18頭の3番目(タイ)に重いハンデを負担し、他馬と一線を画す完勝ともいうべき内容を残した。快勝劇を受けて今回のハンデは56kgに増量されたが、これは今回の出走馬で2番目に重く、現地入り後に故障で除外されたマルメロ(昨年のメルボルンC2着馬)に予定されていたのと同じハンデだ。前走の2400mまでしか距離経験のないメールドグラースにとって、さらに800m延びる舞台で昨年2着馬相当という高い評価が、そのまま実力の証明となるか、あるいは重荷となるのか。これが勝負の分かれ目となる。
ライバルの一番手は連覇を狙うクロスカウンター
また、メールドグラースとの関係性ではコーフィールドCで手合わせした面々の見直しが必要か。着差以上の完勝を収めたメールドグラースはハンデ増量。その上に頭数も増える。1馬身差2着のヴァウアンドディクレアをはじめ、ミラージュダンサー、コンスタンティノープル、フィンシュ、ムスタジアーと2馬身圏内でゴールした各馬には展開次第で逆転のチャンスもあるだろう。ただし、これはメールドグラースにも当てはまることだが、2008年以降のコーフィールドC出走馬は計81頭がメルボルンCに挑み、2017年ヨハネスフェルメールの2着が最高。3着馬も3頭いるだけと苦戦傾向にある。