豪州最大GIで偉業なるかメールドグラース 勝てば140年の歴史で12頭目のダブル制覇

JRA-VAN

強敵となるオブライエン親子の管理馬たち

 こうしたデータからも、メールドグラースの強敵となり得るのは別路線組かもしれない。現地前売りではクロスカウンターやコーフィールドCの上位馬がメールドグラースと1番人気を争っているものの、前述の通りデータ的に有利とは言えない。その下に続くアイルランドのオブライエン調教師親子の管理馬たちが不気味だ。

 父のエイダン師はコックスプレート4着のマジックワンド、直前のムーニーバレーゴールドカップを勝ったハンティングホーンの経験豊富な2頭に3歳馬イルパラディーゾを登録しているが、2走前まで管理馬だったサザンフランスも見逃せない。前走から豪州のC.マー&D.ユースタス調教師の共同管理馬となったが、転厩初戦は愛セントレジャーで3着。豪州で走るのは今回が初めてというオブライエン調教師の影響が色濃く残る1頭だ。

欧州の長距離王ストラディヴァリウスの2着の実績があるサザンフランス(右)(写真は5/17のヨークシャーカップ(G2)のもの) 【Photo by Getty Images】

 一方、2年前にリキンドリングでこのレースを制している息子のジョセフ師は、6月の英ゴールドカップで長距離王ストラディヴァリウスの1馬身とハナ差3着に食い下がったマスターオブリアリティをはじめ、昨年の愛ダービー勝ちや豪G1マキノンステークス2着など高実績のラトローブ、同馬を6月のG2カラカップで下したトワイライトペイメントという重厚な布陣。さらに、ダウンドラフトもG3ホッサムハンデキャップで優先出走権を獲得し、中2日での参戦と多彩なメンバーをそろえた。

 これらオブライエン勢では、同斤量でクロスカウンターに先着した経験がありながら、今回は同馬より2kg軽いサザンフランスとマスターオブリアリティに恵まれた印象がある。また、イルパラディーゾもG2ロンズデールカップでストラディヴァリウスから1馬身半圏内の3着があり、52.5kgのハンデからも軽視はできない。

4年連続で軽量馬が激走、今年も侮れない

 なお、メルボルンCは最近4年連続でハンデ53kg以下の軽量馬が勝っていることから、伏兵が台頭する余地も十分。ヤングスター(52kg)は近走成績こそ冴えないものの、血統的には距離延長で変わり身も。昨年のメルボルンC3着馬プリンスオブアランはハンデ54kgだが、前走のジーロンカップ勝ちにより1kg増量されたもので、前哨戦勝ちで優先出走権を獲得したサプライズベイビー(53.5kg)ともども侮れない。

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