今年の入札は「BIG3」に集約か? 西尾×小関×福田ドラフト鼎談2019
佐藤と郡司、同じ大学生捕手にも違いが
海野に次ぐ大学生捕手として、東洋大・佐藤と慶応義塾大・郡司(写真)の名前が挙がってくる。郡司はプレー以外にも精神面で高い評価を得ている 【写真は共同】
西尾 佐藤はこの秋に改めて見ても肩はいいし、走れるし、打てるし、いいなと思いますね。肩は海野と比べちゃうとちょっとかわいそうですけど、全然悪くないですからね。やっぱり打てるキャッチャーは貴重ですし、ダメなら外野でも使えるという保険もかけられるし。バッテイングも、もともとすごくいいですからね。とにかく足が速いです。キャッチャーとしてではなく、外野の中に入っても速いです。
小関 キャッチャーがほしい球団でいうと、中日あたりはほしいでしょうね。
西尾 今年は高校生にいいキャッチャーが多いですからね。そのあたりの絡みも含めてどうなるか。
――続いて吉田ですね。
西尾 去年西武に1位指名された、先輩の松本にタイプが似ていると思います。他の1位候補の投手に比べるとすごさはないんですけど、それでも150キロは投げますし、まとまっていてちゃんと試合を作れる。すぐに使えるピッチャーがほしい球団は狙うんじゃないですかね。
大学生の投手で即戦力でいうと、森下の次はこの吉田と杉山かなと思いますね。安定感では吉田ですね。杉山の方がフォームの見栄えとかスケール感はありますけど。
小関 先週、杉山を見たんですよ。ストレートはいいんですけど、7割くらい変化球で。逆にこんなに多彩だったんだって思いましたね。
――プロ入り後は、2人とも先発タイプでしょうか?
西尾 吉田は先発タイプですね。杉山はどっちかまだ分からないですけど。スタミナもあるし先発もできると思いますね。
小関 変化球主体のピッチングを見ていると、先発もできるんじゃないですかね。
西尾 ピッチャーをほしい球団が外れ、外れとかになると、この2人の名前が挙がってくるかなと思いますね。
――続いて小関さんは慶応義塾大の捕手・郡司の名前を挙げていますね。
小関 今の慶応ってピッチャーがすごくいいんですよ。多彩なピッチャーをちゃんとリードしてチームを優勝ないし優勝争いに導いているというのが、一番評価できると思いますね。
特別肩が強いわけではなく、特別バッティングがいい訳じゃないので、何がいいと言われるとちょっと迷うんですけど、キャッチャーってある意味“ピッチャーの精神安定剤”みたいなところがある中で、精神的な部分もいいなと思いますね。
西尾 セカンドにも1.9秒台で投げるんですよね。
――小関さんが佐藤よりも郡司の方を評価しているのは、ディフェンス力の違い?
小関 佐藤は今年の春、秋とずっと良くないんですよ。それに比べて郡司は浮き沈みがあまりなくて、ホームランも通算で10本近く打っているんですよね。
福田 (ホームランを打てる)ツボを持っている感じですよね。
小関 ここという時に打つ感じですよね。
西尾 森下からも確か2本打っているんじゃなかったですかね?
小関 楽天もキャッチャーがほしいだろうし、仙台育英高の出身だし、外れ1位で指名があってもおかしくないかなと思いますね。
――東北福祉大・津森の評価はどうですか?
小関 非常にボールがキレるというのと、サイド特有の真っすぐが伸びて、あとはスライダー系統の変化ですよね。これは早く使えるかなと思います。何年か継続して活躍できるかどうかは分かりませんが。来年1年は即戦力として活躍できるとは思います。
西尾 リリーフタイプですね。今年あんまり良くなかったんですよね。
福田 去年の津森だったら僕も1位だったけどね。ちょっと大学選手権が良くなかったよね(編注:準々決勝の佛教大戦でリードを守り切れず、チームの敗退につながってしまった)。
小関 タイプ的には田原誠次(巨人)みたいなサイドでね。
西尾 田原よりは全然速いですけどね。リリーフがほしい球団はほしがるでしょうね。
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