超高校級投手・佐々木、奥川をどう見る?
日米の現役スカウトが金の卵を評価

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今季のドラフトの超目玉は、高校生の佐々木(左)と奥川。現在の力だけでなく、将来性についても現役スカウトが話した
今季のドラフトの超目玉は、高校生の佐々木(左)と奥川。現在の力だけでなく、将来性についても現役スカウトが話した【写真は共同】

 令和最初のプロ野球ドラフト会議。“何十年に一人の逸材”と言われる佐々木朗希(大船渡高)、甲子園でも輝いた奥川恭伸(星稜高)、そしてアマ球界ナンバーワン投手の森下暢仁(明治大)と「BIG3」をはじめ、今年も逸材がそろう。そんな注目すべきドラフト候補たちの評価を聞くべく、日米のベテランスカウトに直撃。広島東洋カープのスカウト部長・苑田聡彦スカウトと、フィラデルフィア・フィリーズの環太平洋担当部長・大慈彌功スカウトがドラフト直前に明かしてくれた。


 第1回は、ドラフトの超目玉、超高校級の佐々木と奥川の2投手。今年の“特A”評価は、大学生右腕の森下を含めた3人。森下は第5回の「即戦力投手」編でお届けすることとし、まずは、二人の“金の卵”を、日米の現役スカウトはどう見ているのか? すぐにでも一軍で活躍できるのか、心配すべきところはどこか、どんなピッチャーになっていくのか、海を渡っても活躍できるだけのポテンシャルはあるのか……ベテランスカウトならではの温かい視線とエールも送ってくれた。

佐々木朗希(大船渡高)

苑田スカウト「かっこいい、ひときわ光っている」


 最初に見たとき、衝撃を受けましたね。今年の夏前の仙台育英高との練習試合を見に行ったのですが、バスから(佐々木投手が)降りてきたときに、まずその姿に「あ〜」と。これがオーラというのか、ひときわ光っている。グラウンドに向かって走る姿もまた、バランスが良くてかっこいい。スゴイ選手というのはそういうもの。今でもその姿が頭に残っています。


 キャッチボールも、一人だけ違う。かっこいい。ピッチングを見てさらに「おぉっ」と。初速と終速が変わらないでシューッとくる。うちにいた北別府(学)投手が糸を引くような球を投げていましたが、それにはまだ届かないにしても、キレが良い。


 そのときは、何か課題を持って投げていたのでしょう、全力では投げていないですが、キャッチャーのサインに忠実に、「このコースにこれを投げたらバッターはこうだ」「ここだと打たれても納得」ということを自分で確認しながら投げている。身体能力が抜けているだけではなくて、賢いんだなと思いました。


 大谷翔平投手(エンゼルス)の同時期と比べると、大谷の方が、体ができていましたし、球に力がありました。佐々木投手はまだ弱いところがあって、球速は163キロ出ていても、俗に言う“子どもの球”。でも、それだけにまだまだ伸びしろがあるんです。走り込んでいったら、まだ球速も出てさらに良くなる可能性を感じます。

 変化球も、スライダー、カーブ、フォークと、それぞれ精度が高い。コントロールもいい。何十年に一人という部類でしょう。


 不安があるとしたら、指にできるマメ。みんなできるものですが、すぐに治って指が強くなっていくマメと、治りかけのマメの中(奥)にさらにマメができるタチの悪いものがあります。やっかいなマメができやすい体質じゃなければいいですね。

 これだけ良いものを持った選手ですから、故障だけはしてほしくない。プロでは1年間は上(一軍)で使わずに、まずは体作り。ご飯をいっぱい食べて、練習して……。二軍戦で投げたら2週間ぐらい登板間隔を空けてやる。そういう育て方をしていくといいですね。キャッチボールは一軍のメンバーの中に入れても、ピッチングをするときは上の選手とは離してあげる。そうしないとどんどん投げて力んでしまって壊してしまいます。一度故障すると今までやってきたことがゼロに戻ってしまいますから。


 しっかり体を作ってうまく送り出すことができれば10勝はいけます。甲子園の出場はなく、大舞台を経験していないとはいえ、気持ちは強い。物おじもしないようですから、大勢のお客さんの前でも大丈夫でしょう。

瀬川ふみ子

スポナビDo

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