女王不在の3歳牝馬戦線は本番まで混戦か 過去10年データで見るローズS馬券傾向
春の実績馬と夏の上がり馬との戦いが一つの見どころ
ローズSの好走馬(過去10年)
【画像提供:JRA-VANデータラボ】
表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
上位人気に支持されるのは主に春の実績馬。基本的には桜花賞やオークスで上位にきた馬が注目される。前走オークス出走馬は非常に多く、好走馬30頭中14頭が該当。さらにその内10頭が、オークスで4着以内に入っていた。よって、大敗馬が巻き返してくるケースは少ないのだが、昨年優勝したカンタービレはオークス13着だった。高配当の馬券を当てるには、このようなタイプの馬も拾えるようにしたい。
一方、前走オークス組以外は、夏のローカルで使われていた馬が多い。札幌や新潟、小倉などの条件戦で好走した馬がここに挑んでくる。2勝(1000万)クラスだけでなく、1勝(500万)クラスや未勝利クラスを使われていた馬も多くいるのが大きな特徴だ。
例えば、14年に15番人気ながら2着に入ったタガノエトワールは、前走未勝利戦を勝ったばかり。しかも、キャリアはわずか3戦という戦歴だった。このように比較的キャリアが浅い馬が、ローズSで上位にきている。具体的にはキャリア4〜6戦の馬が狙い目。昨年1着のカンタービレや2着のサラキアはキャリア5戦。春の実績馬も含め、キャリアは浅い方が感触はいい。
ただ、キャリア7戦以上、前走2勝(1000万)クラスで3着以下という馬がきているのも事実。18年ラテュロス、16年カイザーバル、14年リラヴァティが人気薄で3着に食い込んでいる。
あとは、レースのペースと好走馬の4角(コーナー)位置にも注目した。表にはレースの前半4ハロンと後半4ハロンの時計を記載。それぞれの数字を比較することで、おおまかにペースがわかるかと思う。過去10年ではスローペースとミドルペースがほぼ半分ずつある。13年だけハイペースになった。この年は重馬場で時計がかかったのも影響したが、とにかく後半の上がり時計がかかった。それに伴い、上位にきた馬は差し・追い込み馬ばかり。勝ったデニムアンドルビーをはじめ、4角で後ろの方にいた馬が上位を占めた。
良馬場のミドルペースでも10年のように差し馬が上位を占めるケースもある。ローズS全体の傾向としては、決め手がある馬の方が上位にきやすい。ただ、近3年は4角先頭の馬が毎年馬券になっている。ハイペースにさえならなければ、逃げ馬が残る可能性も十分あると考えるべきだろう。