女王不在の3歳牝馬戦線は本番まで混戦か 過去10年データで見るローズS馬券傾向

JRA-VANデータラボ

結論

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 それでは今年のローズSを占っていく。出走予定馬は表2の通り。

 登録の段階からフルゲートに満たないことは確定しており、頭数的にもやや寂しいレースだ。冒頭に述べたようにオークス馬・ラヴズオンリーユーがいないため、オッズの予想はやや難しい。それでも前走オークス組が上位人気を占めそうな感じだ。

 データ的にはウィクトーリアが1番手。前走オークスは4着で、今回のメンバーでは同レース最先着を果たしている。ただ、5着ダノンファンタジーと6着シャドウディーヴァともほとんど差がなく、この3頭の走破タイムは2分23秒3で並んでいる。オークスで大敗したシゲルピンクダイヤ(桜花賞2着)やビーチサンバ(阪神JF3着)も、実力・実績的には遜色がない。阪神芝1800mならば見直さなければいけないし、普通は軽視しにくい。

 一方、別路線組は前走2勝クラスを勝利しているアルティマリガーレとスイープセレリタスに注目。キャリアはそれぞれ4戦、6戦と浅いのも強みだ。前走1勝クラス・未勝利クラスの馬は比較的キャリアが多い。上がり目が見込みにくいという意味で、今回は苦しそうだ。

 少頭数ながら上位人気勢が実力伯仲で、正直、難しい割には配当的な妙味がそれほどないレースかもしれない。ただ、ペースはあまり上がりそうにないのは大きなポイント。どの馬が逃げるかわからないメンバー構成だ。表2で出走予定馬の前走と2走前の成績・決め手を記したが、上位人気になりそうな馬がほとんど末脚を生かしたいタイプだ。そんな中、ダノンファンタジーは桜花賞で先行、スイープセレリタスは前走月岡温泉特別で先行している。前者は、折り合い次第ながら今回は前々で競馬をした方が、有利な展開に持ち込めると予想する。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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