「16」で止まった燕の大型連敗 真中前監督が奮起を促す投打のキーマン

ベースボール・タイムズ

「流れは変わる、雰囲気は変わる」

自身も14連敗を経験した真中氏。「余計なことを意識せず、普段通りの戦い」が大切だと説いた 【写真は共同】

 一方、打線に関しては「打線はどれだけ強力でも、相手ピッチャーがいい時は打てないものだから」とサッパリと話す。

「連敗中は相手ピッチャーとの巡り合わせも悪かったし、打線が打ってもピッチャーが打たれて、という投打のかみ合わせも悪かった」

 連敗中は否が応でも注目が集まり、チャンスで打てなければ球場の雰囲気は普段以上に沈んだ。だがその暗闇も、一つの勝利で明るく照らされるはずだ。真中氏は「変わる」と訴えた。

「流れは変わる。ここから一気に好転することもある。全体的に打線の調子は落ちてないし、中継ぎも登板過多ではあるけれど、一人ひとりの内容、能力は低くない。先発がきちんと5、6回を投げてゲームをつくれるようになれば戦えるチームになるはずです。まず一個勝たないと先に進まない。これで連敗、連敗と騒がれることもなくなりますし、気持ちは楽になる。一つ勝つことで雰囲気は変わる」

まだ借金10 小川、山田に奮起を求める

 15年にチームをリーグ優勝に導いた真中氏だが、最下位に沈んだ17年は14連敗を喫するなど暗たんとした日々を過ごした。その経験を踏まえて、「普段通りの戦い」の必要性を語る。

「連敗から抜け出すためのポイントはない。だからこそ、選手たちは自分たちがやるべきことをしっかりとやるしかない。特別に何かをするのではなく、余計なことを意識せず、普段通りの戦いができるかどうかが大事になるんだと思います」

 17年は故障者が多く戦力自体が整っていなかったが、今季に関しては「けが人がいて大きく戦力が落ちている訳じゃない」と語る。そして巻き返しへ向けた投打のキーマンに、小川泰弘と山田哲人の2人を指名する。

「投手陣では小川。だらしない。復調してしっかりとゲームをつくってもらいたい。打線では山田哲人。四球は選んでいるけど、なかなかヒットが出ずに打率も落とした。交流戦で山田が打てば、チーム全体として浮上のキッカケになるはず」

 迎えるは、昨季12勝6敗で勝率1位となった交流戦だ。真中氏も「キッカケ一つで勝てるようになる。交流戦には、去年のいいイメージがあると思うので、気分良く戦ってもらいたい」と期待する。何より、まだ「87試合」を残し、「借金10」なのだ。

「まだ10。まだまだ巻き返しできる可能性は十分にある。連敗したまま交流戦に入るのと、ここで一つ勝って交流戦を迎えるのとでは全然違う。まだまだ先は長い。一つひとつ大事に戦って、上を目指してもらいたい」

 前監督からのエールは、トンネルを抜け出した燕軍団に届くか。16連敗を笑って振り返ることができるか。まだ6月。その可能は残されている。

(取材・文:三和直樹/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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