サートゥル無敗2冠へデータも太鼓判! マイナス材料を探す方が難しい

JRA-VANデータラボ

別路線からの日本ダービー好走馬

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて皐月賞以外の別路線組を見ていく(表4参照)。過去10年ではトライアルである京都新聞杯、青葉賞、プリンシパルSからしか好走馬が出ておらず、レースごとに好走馬をまとめて記した。京都新聞杯組は3頭。前述したように前走皐月賞以外から1頭だけ勝ち馬が出ており、13年のキズナが該当する。あとはサトノラーゼンとトーセンホマレボシ。この3頭の共通項は、連勝中であったこと。そしてディープインパクト産駒であることが挙げられる。

 前走青葉賞組の好走馬は5頭。こちらは正直、取捨が難しい。人気馬から伏兵馬まで幅広いタイプがいる。青葉賞の勝ち馬だけでなく、6着に敗れていたマイネルフロストが巻き返したケースもあった。アドミラブルのように青葉賞の勝ちっぷりが非常に良かった馬は素直に評価してもいいのだが、そうでない場合も軽視はできない。例えば、弥生賞や毎日杯の出走経験があり、皐月賞には出走できなかったが、距離が延びて良さそうなタイプを警戒したい。

 プリンシパルS組の取捨も難しいが、好走した2頭には過去に重賞で連対した経験があった。

結論

 それでは今年の日本ダービーを展望していきたい。

 皐月賞を圧倒的1番人気で制したサートゥルナーリアが間違いなく、今回も1番人気に支持されるだろう。皐月賞が辛勝ではあったが、余裕あるレースっぷりで、着差以上の強さを感じさせた。ここまで4戦全勝であり、データ的にはマイナス材料を探す方が難しい。3着以内を外すことはまずなさそうだし、勝つ可能性がかなり高いと見る。

 その他の皐月賞組を見ると、基本的には上位入線馬が有力だ。前評判が高かった馬が軒並み好走しており、ダービーでも有力と見る。ダノンキングリーは共同通信杯1着の実績があり、重賞未勝利のヴェロックスより一応上の評価とする。あとは、クラージュゲリエが押さえ。ラジオNIKKEI杯京都2歳Sで重賞を勝っており、データ的には「買い」と言える。一方、皐月賞で6着以下に敗れていた馬の中で、上位人気だった馬はいない。よって、ダービーで巻き返しを期待するのは厳しそうだ。

 京都新聞杯組はレッドジェニアルが連勝馬ではないので、狙いにくい。今年の青葉賞はレースレベル的には疑問だが、データ的には侮れない。勝ち馬のリオンリオンよりも、2着のランフォザローゼスに注目。皐月賞には出走できなかったが、京成杯で2着の実績がある点がポイントだ。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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