桜花賞馬不在のオークスはどうなる? 過去データから馬券の狙いどころを分析

JRA-VANデータラボ

桜花賞組の前走着順別成績(過去10年)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は桜花賞組の前走着順別成績。前走1着馬が昨年のアーモンドアイら最多の4勝をあげているが、今年は桜花賞馬グランアレグリアが出走しない。前走2着馬は16年シンハライトの1勝のみだが、複勝率では前走1着馬を上回ってトップだ。複勝回収率でも100%を超えている。また、前走3着馬は一昨年のソウルスターリングら2勝をあげている。

 なお、前走4・5着馬の好走はなく、前走6着以下から勝利したのは13年メイショウマンボのみ。前走6着以下から好走した3頭はいずれも過去に重賞での勝利経験があった。

フローラS組の前走着順別成績(過去10年)

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6はフローラS組の前走着順別成績。前走1着馬は10年サンテミリオンが勝利しており、連対率30.0%・複勝率40.0%と高い。3着以内馬4頭中3頭は前走フローラSで上位3番人気以内に支持されていた。

 前走2着馬も複勝率37.5%と高く、3着以内に好走した3頭はいずれも前走で上位4番人気以内だった。フローラS組は前走上位人気で連対した馬に注意しておきたい。

オークスの種牡馬別成績(過去10年)

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は種牡馬別成績。出走数最多のディープインパクト産駒は16年シンハライトら3勝をあげ、連対率19.4%・複勝率29.0%。同産駒は前走着順別成績も表示したが、3着以内馬9頭中8頭は前走で連対を果たしていた

 ディープインパクト産駒以外はキングカメハメハ産駒以下が1勝ずつをあげている。キングカメハメハ産駒は10年アパパネの1勝のみだが、キングカメハメハ後継種牡馬のロードカナロアとルーラーシップの産駒が昨年は1・2着を占めている。

桜花賞馬が出走しなかったオークスの3着以内馬一覧(2000年以降)

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表8は、2000年以降で桜花賞馬が出走しなかったオークスの3着以内馬一覧。16年を含めて計4回あるが、勝ち馬はすべて前走桜花賞組となっている。勝ち馬4頭はいずれも前走の桜花賞で上がり3ハロン3位以内の脚を使っていた。

 また、2・3着には前走フローラSもしくは忘れな草賞の1着馬が入っている点にも注目しておきたい。

結論

表9 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 今年の出走予定馬は表9の通り。

 1番人気馬は予測が難しいものの、前走フラワーCを逃げ切ったコントラチェック、前走桜花賞3着でクイーンC勝ちがあるクロノジェネシス、前走忘れな草賞を勝利して3戦3勝と底を見せていないラヴズオンリーユーのいずれかだろう。

 これまでのデータからこの3頭の中ではコントラチェックの評価を下げておきたい。オークスでは分が悪い逃げ・先行タイプで、芝1800mまでの経験しかなく、初めての東京コースというのも割引材料だ。目下絶好調のレーン騎手が騎乗予定で、実力以上に人気が先行することも十分考えられる。

 クロノジェネシスは前走桜花賞で上がり2位タイの末脚で3着に入っている。東京コースは2戦2勝と相性が良く、当然1着候補だ。ラヴズオンリーユーは3連勝中と勢いがある忘れな草賞勝ち馬で、ディープインパクト産駒の好走傾向にも当てはまる。ただ、オークスでの勝ち星がないキャリア3戦馬という点で、クロノジェネシスより下としておきたい。

 データから推奨したいのが前走桜花賞2着のシゲルピンクダイヤ。桜花賞ではスタートで後手を踏んだものの、道中後方から上がり最速となる32秒7の脚で一気に追い込んだ。複勝率が高い桜花賞2着馬で、キャリア4戦も強調材料。懸念されるのは長距離適性に不安があるダイワメジャー産駒ということだろうが、末脚を温存できるタイプだけに問題ないと見る。種牡馬で人気が下がるなら逆に妙味がありそうだ。

 他では前走フローラS勝ちのウィクトーリアにも注目。表8で示した桜花賞馬不在の年にフローラS1着馬が好走するケースに当てはまる。穴で桜花賞上がり2位タイだったエールヴォアとともに連下でマークしておきたい。

文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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