GIで単勝1倍台の馬は本当に確勝級か? 過去10年58レースのデータから考察

JRA-VANデータラボ

単勝オッズ1倍台の1番人気馬・G1における前走着差別成績(過去10年)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は単勝1倍台の1番人気馬の前走着差別成績。前走で1秒以上の差をつけて今回も勝利したのは09年安田記念のウオッカ(前走ヴィクトリアMで1.2秒差勝ち)だ。

 前走0.6〜0.9秒差勝ちの馬も前走0.3〜0.5秒差勝ちの馬もともに勝率33.3%と表1で示した平均44.8%を下回っている。前走で2着に0.3秒差以上の完勝を見せていても、意外に負けるケースが多いことがわかる。グランアレグリアも前走桜花賞で2着に0.4秒差をつける完勝だったが、NHKマイルCではスムーズなレースができずに敗れている。

 対して、黄色で強調した前走0.1〜0.2秒差勝ちの馬が勝率69.2%と他よりも抜きんでて勝率が高い。差をつけて勝つわけではなく競り合いの中から少し抜け出して勝った馬の方が次走の勝ちにつながるようだ。

単勝オッズ1倍台の1番人気馬・G1における騎手別成績(過去10年)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は単勝1倍台の1番人気馬に騎乗した騎手の成績と、前走と同騎手・乗替り時の成績をまとめたもの。ルメール騎手が4勝と最多ではあるが、それでも勝率は50%にとどまる。次いで3勝で岩田騎手、武豊騎手、M.デムーロ騎手が並んでいるが、なかでもデムーロ騎手は勝率75%と一際高く、連対率も100%と優秀だ。

 前走から継続騎乗もしくは乗替りの成績比較では、意外にも前走から乗替りとなった方が勝率は高い。近いところでは皐月賞における1着サートゥルナーリア(M.デムーロ→ルメール)が挙げられる。4着以下に敗れたのは11年スプリンターズSにおける外国馬のロケットマンのみで、日本馬では7頭すべて連対を果たしている。

単勝オッズ1倍台の1番人気馬・G1における種牡馬別成績(過去10年)

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表6は単勝1倍台の1番人気馬の種牡馬別成績。ディープインパクトをはじめとするサンデーサイレンス後継種牡馬やキングカメハメハ産駒などをおさえて、ロードカナロア産駒が5戦5勝とすべて勝ち切っている

 昨年のオークス・秋華賞・ジャパンカップを勝利したアーモンドアイ、昨年のホープフルSと今年の皐月賞を制したサートゥルナーリアが該当している。サートゥルナーリアの皐月賞はゴール前が際どかったものの勝利して、デビュー以来4連勝を決めた。皐月賞で騎乗したルメール騎手が現在騎乗停止中で、日本ダービーでは乗替りとなる。

 日本ダービーにはサートゥルナーリア、安田記念にはアーモンドアイと単勝1倍台の人気が予想される2頭が出走を予定しており、ロードカナロア産駒の快進撃が続くのか、大いに注目しておきたい

文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント