激戦必死の大阪杯、制する馬の条件は? 注目すべきは1600〜2000mの重賞実績

JRA-VANデータラボ

結論

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 以上のことを踏まえて、今年の大阪杯を展望してみたい。出走予定馬は表1の通りだ。

 天気予報によると雨の心配はあまりなく、良馬場でレースができる可能性が高いとみる。先週日曜日に行われた1000万クラスの四国新聞杯の勝ち時計は2分01秒5(良)。ペースがかなり遅かったため、時計はややかかった。しかし、同日に行われたオープンクラスの芝1600m・六甲Sの勝ち時計が1分33秒9だったので、決して時計がかかる芝状態ではないはず。そうなると、今年の大阪杯も時計勝負になる。1分58秒台の決着になる可能性も高いだろう。

 そのようなレースになれば、注目すべきは芝1600〜2000mの重賞実績だ。上位人気が予想される4歳馬ブラストワンピースは前走有馬記念でG1初制覇を果たした。しかし、まだキャリアが浅く、芝1600〜2000mのG1やG2を使われていない。新潟記念や毎日杯の勝利実績があるので、距離が明らかに懸念材料というわけではないが、よりハイレベルなスピード競馬に対応できるかがカギとなりそうだ。

 ダービー馬のワグネリアンも同様のことが言える。皐月賞で7着と敗れてしまったので(稍重だったが)、芝中距離でのめぼしい実績がない。休み明けよりもこの点が課題となる。

 一方、芝1600〜2000mで実績十分なのが、サングレーザー。天皇賞(秋)2着、札幌記念1着、マイルCS3着の実績は今回のメンバーではかなり強力。G1初制覇のチャンスを迎えたと言っていいだろう。ペルシアンナイトも豊富な実績があり、前年同様の走りが期待できるかもしれない。ステルヴィオもこの路線では手堅い。マイルCSに続くG1・2勝目を狙えそうだ。

 上がり馬としてはスティッフェリオやエアウィンザーの名前が挙がる。G2の金鯱賞で善戦していることと、阪神芝2000mの実績を重視して後者の方が上と見るが果たしてどうなるか。

 エポカドーロは皐月賞馬だが、良馬場のスピード勝負に対応できるかどうか。皐月賞の勝ち時計は2分00秒8(稍重)。同じ皐月賞馬でも、アルアインとはタイプが異なるような気がする。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント