高松宮記念はダノン、モズに不安データ 推奨馬は“リピーター”ナックビーナス

JRA-VANデータラボ

阪急杯組の前走人気別成績(過去7年)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は阪急杯組の前走人気別成績。前走1番人気だった馬は13年ロードカナロアが勝利し、連対率・複勝率60%と優秀だ。前走2番人気からは14年1着コパノリチャード、前走4番人気からは15年3着ミッキーアイルがそれぞれ出ている。

 なお、前走5番人気以下だった馬はすべて4着以下と不振傾向にある。

オーシャンS組の前走着順別成績(過去7年)

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6はオーシャンS組の前走着順別成績。前走1着だった馬は6頭出走し、すべて4着以下と意外にも苦戦している。対して、前走2着だった馬は昨年のナックビーナスら3頭が3着以内に入り、複勝率42.9%と優秀だ。また、前走4着馬からは12年1着カレンチャン、前走5着・9着からも1頭ずつ3着に巻き返した馬が出ている。近年の傾向からオーシャンS組は前走勝ち馬よりも敗退組の方が妙味アリといえる。

高松宮記念で6番人気以下で好走した馬の前走成績(過去7年)

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表7は高松宮記念において6番人気以下で好走した馬の前走成績。4頭すべて前走オーシャンS組で、そのうちの3頭は前走で2着に入っていた。昨年3着のナックビーナスを含むこの3頭は、前走オーシャンSで2着と好走していたにもかかわらず本番の高松宮記念では人気薄だったわけだ。

 また、ハクサンムーンが13年に3着、15年に2着となっているほか、ロードカナロア(12年3着・13年1着)、レッツゴードンキ(一昨年・昨年とも2着)、ミッキーアイル(15年3着・16年2着)と計4頭が複数年にわたって好走している。近年の傾向としては、過去の好走馬が再度好走しやすいリピーター傾向があるレースといえそうだ。

結論

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 今年の出走予定馬は表8のとおり。

 1番人気に推されそうなのが京阪杯、シルクロードSと重賞連勝中のダノンスマッシュ。父は13年に高松宮記念を優勝しているロードカナロアで父子制覇がかかるが、過去の戦績を見ると左回りでは新馬戦2着、ファルコンSとNHKマイルCがともに7着と勝利していない。前走シルクロードS1着なので近年のデータからは3着以内に入る公算は高いが、不安があるとすれば左回りでの走りだろう。

 前走オーシャンSを好時計で逃げ切ったモズスーパーフレアも上位人気は確実だろう。ただし、近年の高松宮記念で逃げ馬が不振であること、オーシャンS勝ち馬がいずれも4着以下に敗れていることもマイナス材料だ。昨秋から中山芝1200mで3勝をあげており、同コースへの適性が非常に高い半面、中京では過去2戦して8着、5着と勝てていないのも今回に向けては不安な点として挙げられる。

 これら上位人気候補の2頭を昨春のファルコンSで破っているのがミスターメロディ。それも初めての芝のレースで、2着に0秒2差をつける快勝だった。前走阪急杯は7着に敗れたものの、そこで1番人気だったのは近年の傾向からプラス材料。勝利実績がある中京コースに替わって、一変を期待したい。

 また、前走オーシャンS2着のナックビーナスもデータから推奨したい。昨夏のキーンランドCでは2着ダノンスマッシュに2馬身半差をつける快勝。前走オーシャンS2着も好相性だ。昨年の3着馬で、リピーター傾向のあるレースだという点を考えると、今年も再び好走する可能性は十分にあるだろう。

 リピーター傾向という点からは、一昨年、昨年と2年続けて2着のレッツゴードンキもいるが、ほとんど好走例がない7歳というのが引っかかる。

文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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