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トーレス×大久保 J開幕直前対談
同世代の2人が語る「点取り屋の哲学」
クラブ躍進の鍵を握る同世代の2人、フェルナンド・トーレスと大久保嘉人に話を聞いた
クラブ躍進の鍵を握る同世代の2人、フェルナンド・トーレスと大久保嘉人に話を聞いた【宇都宮徹壱】

 約20年間のプロキャリアで通算250ゴール前後という超越した数字を残している30代半ばのストライカー。フェルナンド・トーレス(サガン鳥栖)と大久保嘉人(ジュビロ磐田)にはそんな共通点がある。2018年はともにシーズン途中に新天地に赴き、守備重視の戦術への適応に苦しみ、最後までJ1残留争いに巻き込まれたという点も一緒。それだけに、19年シーズンにかける意気込みはすさまじいものがある。


 昨季のリーグ戦ではそれぞれ3点、5点にとどまったトーレスと大久保だが、今季は本来の研ぎ澄まされた得点センスを遺憾なく発揮し、ゴールを量産してくれるはず。とりわけ、大久保には残り16点まで近づいているJ1通算200ゴールという偉業達成への大きな期待が寄せられる。高いレベルの経験が豊富な彼らが両クラブ躍進のキーマンになるのは間違いないだろう。


 スペインでも同時期にプレーしていたことがある2人が顔を合わせ、当時のことや今季のJリーグ、点取り屋の矜持(きょうじ)などについて熱く意見を交わした。(取材:2月14日)

トーレス「今年はより良い試合ができる」

昨季は残留争いに巻き込まれた鳥栖。トーレスは「今年はより良い試合ができる」と自信を覗かせる
昨季は残留争いに巻き込まれた鳥栖。トーレスは「今年はより良い試合ができる」と自信を覗かせる【(C)J.LEAGUE】

――大久保選手が05年〜06年夏の1年半、マジョルカでプレーしていたことを、トーレス選手はご存知ですか?


大久保 絶対、知らないって。恥ずかしい(笑)。


トーレス もちろん、知っています。大久保選手のプレーも見ました。スペインリーグで日本の選手は常にいいプレーをするので、能力はよく分かっています。


大久保 ありがとうございます。


トーレス マジョルカは今、2部にいますけど、非常にいい街ですね。


大久保 街、ホント最高っすね。


トーレス 今年から鳥栖の監督になったルイス・カレーラスはマジョルカで選手として活躍していました。監督もやりましたよ。


大久保 ああ、そうなんですね。僕の方はトーレス選手のことはもちろん見てましたよ(笑)。アトレチコ(・マドリッド)でメチャクチャ点取ってるし、顔もカッコいいし、人気がありましたよね。スペイン代表での活躍もすごかったし。


――お互いにどんな選手だと感じていますか? 大久保選手はダビド・ビジャ選手(ヴィッセル神戸)に近いタイプでは?


大久保 恥ずかしい。ビジャと一緒にしたらダメだって(苦笑)。


トーレス ビジャと比べられること自体、すごくいいことじゃないですか(笑)。


大久保 申し訳ない(苦笑)。


トーレス 僕は大久保選手がJリーグでたくさん試合に出て、ゴールを挙げていることも知っています。大久保選手のプレーを見ることによって、自分が日本でどうすればいいのかということも学んでいけると思いますね。


大久保 トーレス選手はみんな知ってると思いますけれど、スピードがあってゴールもできる。あれだけ世界的な舞台で高いレベルの経験をしてきた選手が来てくれるのは、日本サッカーにとって素晴らしい成長につながるとも思う。彼の経験を吸収できることを本当にありがたく感じます。


トーレス 僕が鳥栖に来てからいつも言っていることですけれど、日本の選手は非常にクオリティが高くて、素晴らしい選手ばかり。そういう能力がピッチ上でもっと出てくれば、チームも良くなると思いますよ。


大久保 僕から見ると、トーレス選手が前にいるだけで脅威になるのは確か。どのチームも嫌でしょう。ただ、日本という違った国で慣れるまでは大変だったのかな。今シーズンはたくさん、点を取る姿を見たいです。


――トーレス選手ほどの経験があっても、異国での適応というのは大変でしたか?


トーレス 昨年は残留か降格かというチーム状況が、まず非常に難しかった。ディフェンシブなやり方だったのも難易度を高めましたね。でも今季から新しい監督が来て、より攻撃的なサッカーをすることにフォーカスしているので、攻撃する機会、得点チャンスも増えるはず。間違いなく、より良い試合ができると思いますよ。


大久保 それは僕も同じでしたね。途中から磐田に加入して、同じ立ち位置にいて、ディフェンシブな戦いをしていたので非常に難しかったなと。今年は攻撃的になっているので、ちょっと楽しみですね。

元川悦子
元川悦子

1967年長野県松本市生まれ。千葉大学法経学部卒業後、業界紙、夕刊紙記者を経て、94年からフリーに。Jリーグ、日本代表、育成年代、海外まで幅広くフォロー。特に日本代表は非公開練習でもせっせと通って選手のコメントを取り、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは94年アメリカ大会から5回連続で現地へ赴いた。著書に「U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日」(小学館刊)、「蹴音」(主婦の友社)、「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年」(スキージャーナル)、「『いじらない』育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(日本放送出版協会)、「僕らがサッカーボーイズだった頃』(カンゼン刊)、「全国制覇12回より大切な清商サッカー部の教え」(ぱる出版)、「日本初の韓国代表フィジカルコーチ 池田誠剛の生きざま 日本人として韓国代表で戦う理由 」(カンゼン)など。「勝利の街に響け凱歌―松本山雅という奇跡のクラブ 」を15年4月に汐文社から上梓した

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