往路6位の青学大、5分半の逆転は可能か?
箱根駅伝・往路を駒大OB神屋氏が解説

復路は東洋大・東海大の一騎打ちか

往路を制した東洋大(写真)と2位・東海大との差は1分14秒。復路は両者が激しいつばぜり合いを演じることになりそうだ
往路を制した東洋大(写真)と2位・東海大との差は1分14秒。復路は両者が激しいつばぜり合いを演じることになりそうだ【写真:松尾/アフロスポーツ】

――3日の復路では、2位・東海大が1分14秒、青山学院大が5分30秒遅れて東洋大を追う展開になります。総合優勝の行方をどう予想しますか?


 本命は東洋大と東海大の2チームで、ともにいい位置にいると思います。東洋大は6区の今西(駿介)選手が(山下りで実績のある)東海大の中島(怜利)選手に差をつめられてしまうのかどうか。続く7区は、東海大の阪口(竜平)選手は今季不調でしたが、東洋大の小笹(椋)選手は好調で調子を上げてきた選手です。ここで2チームのマッチレースになるのではないかと思います。


 東洋大は8区は田上(建)選手のままで9区を鈴木(宗孝)選手に変えるか。8区を鈴木選手にして、9区・中村(拳梧)選手、10区・浅井(崚雅)選手でいくのか。東海大は關(颯人)選手、湊谷(春紀)選手を使うとしたらどこなのか。控え選手の調子はどうなのかというのも鍵になると思います。強い選手を残しつつマッチアップという意味では、東洋大と東海大はお互い意識しやすいですよね。


 青山学院大は先頭から3分差ならまだしも、5分半だとかなり厳しい。間にいる4位の駒澤大が絶好調で前を追う展開になれば、青山学院大も一緒に上がってくるかもしれません。ただ、6区の小野田(勇次)選手、7区・林選手が二人で稼いで3分、鈴木(塁人)選手を(当日区間エントリーで)8区に入れてさらにつめても、上のチームがいい選手を出してくると、首位を奪うには厳しい距離になります。東洋大、東海大がミスなくいけるかどうかもあります。ただ、優勝の可能性はゼロではありませんが、そのパーセンテージが大きく下がっているのは間違いないと思います。わずかに可能性を残したという程度だと思います。


――シード権争いについてはいかがでしょうか?


 山上り(5区)が良かったチームはある程度下りもいい選手がいます。そういうチームは、山に対してそれなりの準備ができていると思うんです。往路で上位に来たチームが有利なのは確かです。


 15位の早稲田大は(シード権獲得ラインの10位まで)2分34秒ありますが、永山(博基)選手の調子が戻っていればチャンスはあるかもしれません。ただ、現在12位くらいまでのチームが激しく競る展開になるのかなと思います。5位・法政大から10位の中央学院大まで2分くらいしかありません。そうなると法政大としては、どこでシード権争いに巻き込まれるか分からない怖さがあります。巻き返さないといけないチームに大駒がいればそこで勝負をかけないといけませんし、前にいるチームは耐えていくことになるでしょう。

青山学院大の総合V5の可能性は?

――ずばり、青山学院大の総合優勝の可能性は?


 常識的に考えたら10パーセントくらいになってきます。森田選手のような走りを小野田選手、林選手に見せてくれというしかないかもしれません。往路は4、5区がずるずるといく珍しい光景でした。粘れずに大差をつけられていく姿は、今まであまり見たことがなかったので、チーム状況が気になります。たまたま一人がブレーキがというのであれば気になりませんが、原(晋)監督が竹石選手は自信を持っているといった話をしていたのに、調子が非常に悪かった。しかも自分のペースを守るというのもあったと思いましたが、竹石選手が抜かれてしまい、最後に踏ん張ったくらいだったので、悪いイメージで終わってしまいました。そこが気になるところです。やはり「追わなきゃ」という状況は力んでしまうのではと思います。


――連勝を続けるチームは前を走る経験しかしていなくて、2、3位と後手に回った時に巻き返しが難しいという話もありますが?


 駒澤大のように無欲な位置だと、どこかでスパッと走ると意外と上がってくる可能性はあります。ただ5連覇というのは、中央大の6連覇に次ぐ2度目の偉業です。そうなるとやはりプレッシャーなのかなと。そのプレッシャーを抱えた中で5分30秒をひっくり返すというのは相当だと思うんですよね。それを取り返したら、本当に青山学院大は伝説になると思います。ただ、伝説というのは起きないからこそ“伝説”であり“奇跡”であるので、かなり厳しいと思います。


 特に東洋大、東海大の力を考えた時に、5分30秒差となると、1.5キロ以上先になりますので、誰か一人が差をつめたくらいでは何にも見えないんですよね。見えないのを追いかけていくのは相当大変です。まず1人1分差をつめること、見えるところまで持っていくこと。そうしてコツコツ積み上げて最後にどうなるか……としか言いようがないほどの状況だと思います。


 でも、あくまでいちファンの声ですが、今大会はすごく面白い駅伝になっていると思います。青山学院大の包囲網ができ上がっているという感じですよね。竹石選手が5区で順位を落としましたが、あんなに抜かれるなんてことは最近の青山学院大にはなかったでしょうから。まれに見る戦国駅伝という感じがしますよね。復路もどうなるか、本当に楽しみです。

構成:スポーツナビ

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