狭いホールほど方向性が定まらない…… 改善のポイントは「腕と体のシンクロ」
【写真:ロイター/アフロ】
課題別のワンポイントレッスンをゴルフスイングコンサルタントの吉田洋一郎が解説する。5回目の今回は狭いホールの攻略法。いつも以上にボールを曲げたくない狭いホールほど、なぜか球が散らばってしまう。その原因と修正方法を紹介する。
狭いホールでは身体の動きが止まる
ティグラウンドに立った時に、落としどころのフェアウェイがしぼられていたり、片側にウォーターハザードがあるホールに限って大きく球を曲げてしまう。アマチュアの人は多く経験しているかもしれないが、プロでもこういった経験はよくある。
その要因は視覚情報がもたらす緊張と、「置きに行きたい」という強い意識だ。人は緊張をすると体が縮こまり、体全体を使ったダイナミックな動きをする事が難しくなる。緊張する場面で手が震えたり、歩くときに同じほうの手と足が同時に動くという普段では考えられない動きが出るのと同じだ。スイングでも普段とは違ったリズムになったり力が入ってしまう事で、ヘッドの戻ってくるタイミングやフェースの開閉の動きがいつも通りにならず、球を曲げる要因になってしまう。
また「曲げたくない」という意識も、残念な事に球を曲げる大きな要因だ。狭いホールに限らず「方向性を出したい」と思った時ほど、腕や手元の動きでクラブをコントロールしようとしがちだ。言い換えると体の動きが止まってしまっている。スイング中に腕や手元の運動量が増えると、フェースの開閉が急激に起こるなどしてインパクトでフェースをスクエアな状態に戻すのが難しくなってしまうのだ。
また「曲げたくない」という意識も、残念な事に球を曲げる大きな要因だ。狭いホールに限らず「方向性を出したい」と思った時ほど、腕や手元の動きでクラブをコントロールしようとしがちだ。言い換えると体の動きが止まってしまっている。スイング中に腕や手元の運動量が増えると、フェースの開閉が急激に起こるなどしてインパクトでフェースをスクエアな状態に戻すのが難しくなってしまうのだ。
両肘と胸はずっと一緒
だからこそ狭いホールほど体をダイナミックに動かす必要がある。正確にはそれくらいの意識を持つと、手先でクラブをコントロールする動きが打ち消され体と腕がバランスよく連動して、いつも通りのスイングをする事ができる。
注意するポイントは、両肘と胸の中心を結んだ三点でできる空間だ。スイング中にこの空間が壊れないように振る意識を持つとよい。
お手本となるのはリオデジャネイロ五輪で金メダルに輝いたジャスティン・ローズ(英国)のスイングだ。ローズは「腕と体のシンクロ」を重視するコーチのデビッド・レッドベター氏に師事していたことから、両肘と胸の空間がとてもきれいにキープされている。プロでも狭いホールや優勝争いなどのプレッシャーがかかる場面で腕と体のシンクロが崩れがちだが、ローズの場合そういったシーンはほとんど見られない。
そんなローズもしばしば行っているが、直径15センチ程の軟らかいトレーニングボールを両肘と胸にはさんだ練習がおすすめだ。腕だけで振ろうとすると空間が崩れボールがつぶれたり、腕がボールから離れてしまう。まずは小さな振り幅からでもよいので、はさんだボールと腕の関係性を変えないで体でクラブを動かす感覚を覚えよう。
※この記事は2018年3月30日にスポーツナビで配信した記事を再掲載したものです
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ