メイウェザーvs.天心、ルールは?契約は? RIZIN榊原氏「(ファイトマネーを)払えんのか!」

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屈辱的な契約ではない。紳士的な落としどころが見つかった

世界一稼ぐアスリートである無敗メイウェザー、金銭面の交渉も一筋縄ではいかないはずだ 【赤坂直人/スポーツナビ】

――金銭面は大丈夫なのでしょうか?

 10年くらい前にUFCにPRIDEを売った時のお金がまだちょっと残っていたので、そのお金でメイウェザー選手を買いました(笑)。大変ですよ、お金は。

――言える範囲内で、どれくらいの規模でしょうか?

 それは……いつも100万円もらっている人が1万円で試合しないことは確かですよ。僕も長いこと格闘技のプロモーターをさせてもらっていますけど、過去最高のファイトマネーを払うことは間違いないです。お金が払われなければ当然試合はやらないですよ。いろいろな権利のシェアとか課題はありますけどね。

――10万円くらいなら?

 そこは想像に任せますけど、100万円の人が10万円で出て、ニコニコしているかどうか。なんだよ、やらねえよ、ってなるんじゃない? そんな中途半端なお金では成立しないということは間違いない。(その金額)だったらできてますよ、今までも。

――「長期的な関係」という話が会見で出ていたが?

 彼もボクシングの中でここまで名誉も地位も名声も財産もここまで築きました。だから今回は本当に新しいチャレンジ。若い選手の育成もしたいし、アジアの中でもっといろいろな形で僕らRIZINと組んで大会を開催して、ネットの時代ですから世界中にそれを見てもらいたい。

 米国に閉じこもってボクシングの中だけでしかできないことに固執することもないだろうということで、いろいろなチャレンジを大みそかにキックオフして、来年のRIZINの中でも、RIZINというシリーズなのかもう1つ別なものを立ち上げるのか、中長期的な向き合いを組み立てていくという話が、お互いできています。

――北米に合わせて試合時間を早めることはある?

 ないです。日本人の人たちがファーストです。アジアの人たちがファースト。米国の方たちも朝起きて、早朝目をこすりながら見てください。僕らが五輪やワールドカップを早朝、深夜に見るように、北米の人もメイウェザーの試合が見たかったらそういう時間に見てほしいです。

――米国でも放送する?

 間違いなくします。世界中でします、LIVEで。

――北米の放送権を売った?

 売ってないです。売り切っていない。お互いにシェアしています。そんなところを売ったら僕だって回収のしようがないですよ。そんな屈辱的な契約でもないし、お互いに紳士的な契約の落としどころが、時間かかったんですけど一応見つかりまして、海外のペイパービューについてもお互いシェアをします。それはでも、今までの試合よりは多いんじゃないですか?

お金が足りない。手付金は払えても。

――会場のさいたまスーパーアリーナはスタジアム使用?

 いえ、今までのアリーナ使用です。今さら間に合わないので、2万、3万人くらいまで入れるようにアリーナ内の会場環境は変えますけれども、スタジアム使用にはしないです。だから早くチケットを買っていただかないと、(枚数が)無いと思います。2大会連続でSOLD OUTさせられたらなと思っています。

 生メイウェザー、メイウェザーのファイトをリアルな試合で見ることって、多分の日本の人たちは初めての人が多いと思うんですよね。米国で見た人もいるかもしれませんがごく一部ですから。せっかくの機会なので、その対戦相手が那須川天心であるというその事実に、みんなまず嘘だろって思うじゃないですか。僕も嘘みたいな本当の話っていうか、こんなことあるんだなって(笑)。

 やっぱり強い者が強い人を呼び寄せるんだと思いますよ。メイウェザーにも那須川天心っていう選手でどうだと説明して、それがあまりにも自分の思っているイメージの選手と違ったら彼は受けなかったと思いますし、そこに自分が求めるだけの魅力が那須川天心にはあった、っていうことなんだと思います。

 そして天心側もいろいろなことを……ルールがどうのとかあると思うんですよ。そんなことを差し置いてメイウェザーの前に立てるなら、例えルールやウエイトがどうであっても、戦う者として千載一遇のチャンスじゃないですか。だから僕らは世界中の人が那須川天心に驚けばいいと思うんです。

 アジアで一番強いのはパッキャオだと思っている米国人が圧倒的に多いと思います。いや違うんだと。こんなにすごいやつがいるというのを世界に知らしめたいです。世界の人からすると、こんな小さい若くて小さい経験の無い選手を対戦相手にあてて……と思われがちかと思いますけど、まあ見とけって。那須川天心っていうすごい日本人のスーパースター、天才がいるということ。われわれにとっても天心にとってもチャレンジですよ。

――テレビ中継などは決まっている?

 そこに向けて最終調整を今しています。さっきの権利面とかいろいろあるんですけど、あとは日本のみんながサポートしてほしいです。お金が足りないです、そういう意味ではね。

 契約はありますよ。最終的に払いきれるかどうかなって。「やれんのか!」じゃなくて「払えんのか!」っていう(笑)。そのリスクを僕は取ったので、スポンサードもだし、ファンのみなさんにもサポートしてほしい。

 ファイトビジネスは米国に圧倒的なマーケットがあるから、米国の放送局や米国のプロモーターが優先的にいろいろなものを持っていくじゃないですか。日本でもみんなが力を合わせれば、これだけのことができるよということを(証明したい)。日本のマーケットがあればある程度戦えるはずだから、それは僕らプロモーターにとってもチャレンジですよね。

 メイウェザーに約束したもの、天心に約束したもの、環境を整えて彼らにキチッとギャランティしてあげられるかどうか。もちろんしますよ、するために、UFCにPRIDEを売ったお金の残りで手付金くらいは払えたとしてもさ。なんとかしてよ。お金持ってきてよ(笑)。

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