日本シリーズ戦力分析&展望【SB編】 もう一度、ひとつになって頂点へ!

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早めの継投策で広島打線を迎え撃つ

シーズン2位からの逆転で日本シリーズ進出を果たしたソフトバンク。勢いそのままに日本一を狙う 【写真:BBM】

 シーズン2位からたどり着いた頂上決戦。強力・広島打線に対する福岡ソフトバンク投手陣は総力戦で挑む。

 先発陣は千賀滉大、東浜巨、バンデンハーク、ミランダの4枚を軸に、石川柊太、武田翔太、大竹耕太郎が第2先発的な存在として待機。試合展開次第では早い段階から継投に入っていく。第5戦は千賀を中4日で持ってくるか、CSのように高橋礼を先発に回し、千賀を中継ぎ待機というのも一策だ。

 そして、左バッターが来れば嘉弥真新也、8回には加治屋蓮、9回には森唯斗。後ろに控える安定感抜群の3投手に、いかにつないでいくか。先発陣としてもイニングにとらわれず、初回から全力で向かっていくことができるのはプラスに働きそうだ。

 ポイントになるのが四死球。今季、四死球が大量失点につながるケースが散見された。特に広島には丸佳浩を筆頭に選球眼に優れた選手が多いため、制球には注意したい。場面によっては「ソロならばOK」と開き直りも必要だろう。

勢いある上位打線と充実のベンチ

 シーズン終盤の快進撃にCSを経て、打線は円熟の域に達している。CSファイナルステージ(以下、ファイナルS)総得点は驚異の「44」。4試合で2ケタ安打をマークし、埼玉西武を圧倒した。

 特に上位打線がチャンスメークに適時打、本塁打と元気だ。その筆頭が上林誠知。ファイナルSで10打点をたたき出し、ポストシーズン同一シリーズ最多タイを記録した。ファーストSで打率3割の明石健志に、昨季日本一決定打を放った川島慶三も“左キラー”として活躍。攻撃的な1、2番が広島投手陣に襲いかかる。

 また今季は柳田悠岐、松田宣浩、デスパイネ、上林と2005年以来の20発カルテットも誕生し、チーム本塁打はリーグ17年ぶりとなる200本超えと抜群の破壊力を誇った。CSでも一発攻勢は止まらず、本塁打による得点は21。日本シリーズでも効果的な一発で試合を優位に進めたい。

 ベンチの充実ぶりも忘れてはいけない。ベテラン・内川聖一の復帰で選手層に厚みが増した。グラシアルや西田哲朗ら好調な選手も多く、CSでは打撃不振の松田宣が先発を外れるほど。代打、代走、守備固めと駒はそろう。ここに今宮健太が戻ってきたならば、選手起用の選択肢はさらに増える。

 チーム一丸でCSを突破。それは日本シリーズも同様だ。日本一連覇へ、「あと4つ勝ちます!」(柳田)。

投打の注目選手

2年連続日本一の鍵を握る千賀(写真左)と内川 【写真:BBM】

・千賀滉大
 開幕直後から離脱を繰り返したが、球宴明けに復帰して以降はそれまで以上に気迫のこもった投球を見せ、8月は自身初の完封を含む4戦4勝。3年連続の2ケタ勝利も達成した。CSファイナルS第3戦では意地の力投で、これまで勝ち星のなかった鬼門・メットライフドームで勝利。中4日の起用に見事に応え、第5戦では中継ぎ待機した。日本シリーズでも、場合によっては中4日での先発もあり得る。投手陣の柱として、全身全霊でチームを支えたい。

・内川聖一
 なかなか調子が上がらず苦しみながら、5月9日の西武戦で通算2000安打を達成。その後もケガや疲労性の体調不良などアクシデントが重なり、長期離脱を余儀なくされた。それでも懸命にリハビリに励み、CSファイナルSで待望の1軍復帰。さっそく第1戦、7回に代打で復帰後初打席を迎えると、初球をセンター前へ。ポストシーズンを過去6年経験しているベテランの勝負強さが頂上決戦には不可欠だ。
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