今年はスロー必至!? 秋の天皇賞分析 人気の4枠2頭にはデータも逆らえない
天皇賞・秋の前走人気別成績(過去10年)
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
なお、前走10番人気以下だった馬は3着以内馬がおらず、苦戦傾向にある。
今秋の東京開催の脚質別成績と上がり順位別成績(芝1600〜2000m)
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
また、上がり順位別成績では上がり最速の馬は府中牝馬Sのディアドラの1勝のみだが、複勝率88.9%と非常に高い。また、上がり2位の馬が4勝をあげ、連対率ではトップ。やはり中団より前の位置で、速い上がりを使えるタイプの馬が好走している。
今秋の東京開催の種牡馬別成績(芝1600〜2000m)
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
また、キングカメハメハ産駒とその子のルーラーシップ産駒が1勝ずつをあげている。なお、出走数が最も多いディープインパクト産駒は意外にも勝ち星なし。富士Sでは2・3着には入っているが、全体的な率は高くない。
結論
表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
ワグネリアンとディアドラが回避を発表し、最大13頭と例年に比べて少頭数の一戦となりそうだ。また、前走でハナを切った馬が1頭もおらず、スローペース必至と予想される。ある程度前に行って、速い上がりでまとめられるタイプが狙い目だろう。
1番人気に支持されそうなスワーヴリチャードは3走前の金鯱賞、2走前の大阪杯で先行押し切りのレースを見せている。大阪杯は前半は後方にいたものの、向正面で一気に仕掛けて残り1000m57秒1の脚で押し切り勝ち。前走の安田記念から距離を延ばすのは歓迎で、今回も好勝負必至だろう。
レイデオロは東京コースで3戦2勝、2着1回。その2着もジャパンCで、上がり最速タイの脚を使っている。過去のオールカマー組は苦戦傾向だが、一叩きされてここは勝負がかりの一戦だろう。後方一気のタイプでもなく、中団から脚を使えるのも現在の東京芝の傾向に合っている。これら上位2頭は安定感があり、好走確率が高いだろう。
複勝圏内で狙ってみたいのがキセキとミッキーロケット。キセキは昨秋の菊花賞後にスランプに陥ったが、前走の毎日王冠で3着と復活の気配を見せた。平均ペースを先行して好走するキャラチェンジに成功しつつあり、今回も粘り込む可能性は十分にある。ミッキーロケットは前走宝塚記念1着が過小評価されている。同レースでは3着以下を3馬身離しており、今回もレースの流れに乗れれば好走しておかしくない。
ディープインパクト産駒も上位人気を占めるだろうが、表7で示した今開催勝ち星なしのデータからやや軽視して馬券を組み立ててみたい。
文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。