「50代アスリート」は相棒探しに奮闘中 パラローイングで再び目指す大舞台

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56歳を支える、周囲の人たちの協力

2020年の東京パラリンピックに向けて、相棒を探している 【スポーツナビ】

 20年の東京パラリンピックの強化指定選手入りを目指している駒崎は、現在1人で練習を積み重ねている。自宅に「エルゴマシーン」と呼ばれる、室内でボートをこぐ練習ができる機械を設置し、毎日のトレーニングメニューをこなす。さらに休日は家を朝5時に出発し、約2時間かけて神奈川県にある相模湖まで移動してひたすらボートに乗り、休みのほとんどを練習に費やしている。ただ、そうした「ボート漬け」の日々を送ることができるのは、家族や職場など、周囲の支えも大きいという。

 昨年の信毎諏訪湖レガッタは、1人では大会に出ることができないため、なんと妻の延見子さんがパートナーとして出場。延見子さんは健常者なのでパラリンピックには出場できないものの、大会のためにエルゴマシーンで練習を重ねるなど、献身的な努力で夫を支えた。また、駒崎が働いている総和中央病院のサポートも手厚い。ボートの国際大会はヨーロッパでの開催が多いが、その間は休みをもらえるだけでなく、トレーナーまで病院側から派遣してくれるという。「これだけのバックアップをしていただいて、本当にありがたいことです」と、56歳も感謝しきりだ。

 19年9月にオーストリアのリンツで行われる世界選手権で8位以内に入れば、東京大会の出場が決まる。それまでにパートナーを決めなければ世界選手権にも出場することはできず、乗り越えなければいけないハードルは高い。だが、駒崎は「一度世界で12しかない枠を勝ち取ったので、それを経験してしまうとやっぱりもう一度出たくなる。ただ、前回は『良いところを見せたい』と思ってしまったこともあって、普段しない動きをしてしまった。そういう意味でもリベンジしたい。あと、僕は負けるのが嫌いなので、まだまだ辞めたくないですね」と熱く語った。

 還暦間近で迎える東京大会へ向けて、駒崎の闘志はまだまだ消えない。

(取材・文:守田力/スポーツナビ)
◆◆◆ NHK番組情報 ◆◆◆

■10月26日(金)11:05〜11:54
「百獣の王」武井壮さんがパラスポーツを体験、トップアスリートとの真剣勝負に挑みます。今回の放送では「パラローイング」に挑戦します。戦いの結果は…。どうぞお楽しみに!

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