森保一監督「現時点でのベスト」 国際親善試合 パナマ戦後の会見

スポーツナビ

「攻撃も守備もまだまだ上げていかないといけない」と森保監督(左)は試合を振り返った 【写真:高須力】

 サッカー日本代表は12日、デンカビッグスワンスタジアムで国際親善試合のパナマ戦に臨み3−0で勝利した。日本は前半42分に南野拓実の2試合連続ゴールで先制すると、後半20分に伊東純也がこちらも2戦連発弾でリードを広げる。後半40分には川又堅碁の抜け出しからオウンゴールを誘い、森保一監督体制となって2試合連続の3ゴール無失点で試合終了を迎えた。日本は16日にウルグアイと対戦する。

 試合後、森保監督は「勝つことが大事だし、選手のハードワークは讃えたい」と評価をしつつも、「攻撃も守備もまだまだ上げていかないといけない」とコメント。「現時点でのベストということと、これからさらによくなっていく可能性を示してくれた」と手応えを語った。また、ロシアワールドカップ(W杯)の主力組と若手の融合については「化学反応がどうだったかは分からないですが、チームの融合と全体的な戦術の浸透とレベルアップは、次につなげることができた」と振り返った。

選手たちの努力が今日の結果につながった

 まずはここビッグスワンにたくさんのサポーターが来てくださったこと、テレビを通してたくさんのサポーターの皆さんに応援していただいたことに感謝したいと思います。

 試合は3−0ということで無失点で終えられたこと、しっかり得点チャンスを作って3点を奪い、勝利できたことは良かったと思います。試合に出た選手だけでなく、短期間の中でチーム全員がわれわれがやろうとすることをトレーニングの中から意識してやってくれたこと。そして、われわれのやろうとすることを、オン・ザ・ピッチだけでなくオフ・ザ・ピッチでも共有してくれて、選手たちの努力が今日の結果につながったと思います。

 勝つことが大事だし、選手のハードワークはたたえたいと思いますが、内容をポイントで見ると、攻撃も守備もまだまだ上げていかないといけない。これからさらにクオリティーを上げていけるように気を引き締めて、次の試合も勝っていきたいと思います。

──ロシアW杯に出場した主力組が戻ってきた中で、今日のスタメンは2人だけだった。スタメンに込めた思いと、今日の試合で見られた化学反応をどう見ているか?

 今回の10月の2試合で、できるだけ多くの選手にピッチに立ってプレーしてもらい、それぞれの力を見せてもらいたいということ。そしてチームとしてやろうとすることを、公式戦の中でレベルアップできるように、ということで今日のスタメンを選びました。融合については、今日もA代表初出場の選手がいたり、経験がある選手と一緒にプレーすることで、化学反応がどうだったかは分からないですが、チームの融合と全体的な戦術の浸透とレベルアップは、次につなげることができたと思います。

──前線の4枚はW杯組の2人と、9月で点を取った2人という組み合わせだった。新しい可能性は感じられたか?

 現時点でのベストなことはやってくれたと思いますし、合わないところも合わせていこうという、お互いのチャレンジしている、トライしているという思いを持ちながらプレーしてくれたと思います。現時点でのベストということと、これからさらによくなっていく可能性を示してくれたと思います。

──フィジカルとスピードと球際がある相手によく戦ったと思うが、監督として「もっとこうしてほしかった」というところはあるか?(大住良之/フリーランス)

 選手は局面局面で、スピードがあってフィジカルが強くて運ぶ技術がある相手に粘り強く対応してくれて、そこは個人でもチームでもいい守備の対応をしてくれたと思います。ただ、さらに個の局面で相手を上回れるような場面をもっと増やせるように、レベルアップしていかないといけないと思っています。

ミスを取り返す姿勢をポジティブに捉えたい

──前半はボールをしっかりキープしてビルドアップして、後半はすばやく縦につけるように感じられたが、そのバランスについてどう評価するか?(後藤健生/フリーランス)

 前半は相手がフレッシュな状態で、(守備を)コンパクトにして時間とスペースを与えてくれなかった。その中でどうやって崩していくかという部分で、選手たちがボールを握って動かしながら攻撃を仕掛けてチャンスを作ってくれたところは良かったと思います。

 後半はわれわれがリードしている展開の中で、相手が少し前掛かりになったり間延びし、カウンター攻撃を仕掛けること自体は悪くないと思っていました。しかしながら選手にもさっき言いましたが、カウンターあるいはビルドアップもそうですが、シュートチャンスまでいける状況があった中で、崩しがうまくいかず(ボール)ロストしてしまい、相手にカウンターを仕掛けられた部分(が課題)。

 カウンターを仕掛けるのは(相手が)間延びした中で、われわれがリードしている中でいい守備から攻撃というところでは悪くなかったですが、攻撃を完結できなかった部分に関して(自分たちの状況を)難しくしてしまったことについては、攻撃のクオリティーを上げていかないといけないと思います。

──相手が強さを出していく中で、不用意なパスやボールロストから相手の攻撃につながってしまった。次の試合では改善されていくと考えていいか?(田村修一/フリーランス)

 さらにいい内容の試合にしたいと思っています。チームとしてもまだ何試合もしているわけでなく、今日初めて同じチームでプレーする(選手もいたし)、戦術も監督も変わった中でプレーする選手。そうした中で、もっともっとクオリティーを上げてミスを少なくできれば、それに越したことはなかったと思いますが、まずは選手たちがやろうとする姿勢を見せてくれて、ミスしてもミスに終わらないというところ。ミスをしたら、ミスを取り返すために、ミスをした選手がリアクションする。周りの選手もリアクションしてあげるという、次に切り替えてチームとして戦い続けられたことをポジティブに捉えていきたいと思います。

 まだまだクオリティーを上げていかないといけないと思いますけれど、トライしてミスすることも出てくると思いますので、それを取り返すために選手たちが今日やってくれたことをポジティブに考えたい。もしそれができていなければ、おそらく失点していたと思いますし、選手たちがミスも当たり前だと思ってトライする。ミスした時は、それを取り返すために、全員がしっかり守るということをやってくれたことを、まずはポジティブに考えたいと思います。

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