躍進ブラックタイド産駒の傾向を分析 距離、場別……馬券になる条件総まとめ

JRA-VANデータラボ

馬体重別成績

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4はレース当日の馬体重別成績。これを見ると、馬体重が大きい馬ほど好走率が高いことが一目瞭然。連対率と複勝率は綺麗に右肩上がりで、勝率も基本的には同様の傾向が出ている。ブラックタイド自身、現役時代は500キロ前後で走っており、キタサンブラックも最大542キロ。基本的に馬体重が大きい馬のほうが優秀なデータが出やすいことに加えて、自身の特徴を受け継いだ産駒がよく走っているのだろう。

距離別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は、距離別成績を芝ダート別で示したもの。芝は、2000mまでの距離では好走率にほとんど差がない。しかし、2000mを超えると数字がダウン。また、2500m以上の勝率は高く見えるものの、全4勝をキタサンブラックが挙げており、他の産駒では1勝もしていない。これらのことから、基本的に芝は2000mまでが守備範囲と考えていいのではないか。実際、過去の重賞勝ちもキタサンブラックを除くと1600〜1800mに集中している。一方のダートは、複勝率ベースで見ると1600mまでは20%以上なのに対して、1700m以上になると数字がやや落ちる。どうやら芝ダートともに、長めの距離はさほど得意とはいえないようだ。

競馬場別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6は、競馬場別成績を芝ダート別で示したもの。芝で得意なのは阪神で、勝率8.5%、複勝回収率118%はいずれも10場でトップとなっている。また、京都の単勝回収率94%もなかなかハイレベルな数字。表2の項で関西馬のほうが明らかに優秀と述べたが、それはこのあたりにも表れている。一方、関東の中央場となる東京、中山の好走率はもうひとつ。ただし、1〜3番人気馬に限れば、合わせて【15.3.4.16】、勝率39.5%、複勝率57.9%、単勝回収率170%、複勝回収率93%と信頼できる。こちらは表3の項で述べた傾向の通りだ。もちろん、阪神や京都でも上位人気馬は優秀な成績を残している。一方のダートは極端で、回収率が高い競馬場、低い競馬場が明確に分かれている。高いのは京都と中山。あとは阪神も単勝回収率77%だが、残る7場の単勝回収率は20%台以下にとどまった。複勝率や複勝回収率はそこまで悪くないものの、1着固定では買いづらい傾向となっている。

枠番別成績

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は、芝の枠番別成績を全人気と1〜3番人気に分けて示したもの。ご覧の通り、全人気に関してはこれといった傾向を見出しづらいのだが、1〜3番人気に限ると内寄りでの枠の強さが際立っている。1〜4枠で1〜3番人気に推されると、合わせて勝率39.4%、単勝回収率158%にも達するのだ。そういえば、内枠を引いたときのキタサンブラックの強さは抜群だったが、これは同馬に限ったことではなく、ブラックタイド産駒全体の傾向だったのである。

文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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