本塁打王は丸か筒香か、それとも…? セ・パ個人タイトル争い<野手編>

ベースボール・タイムズ

パ・リーグ首位打者、最多安打、最高出塁率

西武・山川は9月15日に40本塁打の大台に乗せた 【写真は共同】

 続いてパ・リーグ。一時は4割打者が複数人いるなど、開幕からハイレベルな“打ち合い”を続けてきた「首位打者」争いだが、夏場以降は近藤健介(北海道日本ハム)、秋山翔吾(埼玉西武)の2人が失速。それに押し出されるように、柳田悠岐(福岡ソフトバンク)が7月打率3割9分2厘、8月打率3割4分2厘と調子を上げて首位打者争いでも抜け出し、現在は打率3割5分7厘で、2位以下を大きくリード。9月16日の試合前練習での打球直撃による脳震とうで出場登録を抹消されたが、すでに規定打席に到達しており、自身2015年以来2度目の首位打者タイトルは安泰だ。

「最多安打」では、秋山翔吾が176本でトップを走る。チームメイトの浅村栄斗(西武)が2位の164本で追うが、残り14試合で12本差を逆転するのは至難の業。このまま秋山が、日本記録の216安打を放った15年、17年に続き3度目の最多安打タイトルを獲得するだろう。

 混戦なのが「最高出塁率」である。近藤健介と柳田悠岐の2人が出塁率4割3分6厘をマークしているが、わずか1毛差で近藤がトップという状況。近藤にとっては初の個人タイトルとなるだけに、最後まで集中して打席に立ちたいところ。柳田、秋山、近藤という現在のパ・リーグを代表するヒットメーカーが、タイトルを分け合うのだろうか。

パ・リーグ本塁打、打点、盗塁

 2年連続で外国人がタイトルを獲得していたパ・リーグの「本塁打王」だが、今季は上位を日本人が独占。その中で首位チームの4番を張る山川穂高(西武)が、ここまで42本塁打を放って、2位の柳田悠岐の34本に8本差を付けている。4月に月間10本塁打を放った後、5月に3本塁打と急失速した山川だが、6月以降は打率に関しては好不調の波が激しかったものの、その中でも確実に一発を放ち続け、9月15日に2発を放ち40号の大台に到達。その後も快音を続けており、ここからはどこまで本数を伸ばせるかに注目だ。

「打点王」では100打点以上が3人。1位が浅村栄斗で116打点、2位に山川穂高で111打点、3位には中田翔(日本ハム)が102打点で付ける。本塁打と比較して1試合で荒稼ぎすることが可能で、上位の差、特に1位と2位の差は少ない。山川が2冠を獲得するのか、それとも浅村が13年以来2度目の打点王に輝くのか。チーム内での競争になる。

 そして「盗塁王」争いは、さらに混戦。2年連続4度目の最多盗塁タイトルを狙う西川遥輝(日本ハム)が36盗塁で1位だが、井口資仁新監督の下で“足”に目覚めた中村奨吾(千葉ロッテ)が1個差の35盗塁で2位、さらにプロ2年目の源田壮亮(西武)が34盗塁の3位に付けている。残り試合はロッテが19試合でもっとも多く、日本ハムは16試合、西武は14試合。10月10日、11日にはロッテ対日本ハムの対戦カードがシーズン最後に組まれており、西川対中村の直接対決になるかも知れない。最後の最後まで目が離せない。
<各タイトル争いの現状>
・打率
1位:柳田悠岐(ソフトバンク)3割5分7厘
2位:近藤健介(日本ハム)3割2分9厘
3位:秋山翔吾(西武)3割2分6厘

・安打
1位:秋山翔吾(西武)176本
2位:浅村栄斗(西武)164本
3位:柳田悠岐(ソフトバンク)153本

・出塁率
1位:近藤健介(日本ハム)4割3分5厘8毛
2位:柳田悠岐(ソフトバンク)4割3分5厘7毛
3位:秋山翔吾(西武)4割0分7厘

・本塁打
1位:山川穂高(西武)42本
2位:柳田悠岐(ソフトバンク)34本
3位:浅村栄斗(西武)28本

・打点
1位:浅村栄斗(西武)116打点
2位:山川穂高(西武)111打点
3位:中田翔(日本ハム)102打点

・盗塁
1位:西川遥輝(日本ハム)36個
2位:中村奨吾(ロッテ)35個
3位:源田壮亮(西武)34個

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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