森保監督「まだコアなチームではない」 国際親善試合 日本代表メンバー発表会見

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A代表に入ってもいいだけのパフォーマンス

オランダで活躍する20歳の堂安らが初召集を受けた 【写真:なかしまだいすけ/アフロ】

――今回のメンバー選考の基準、森保監督が重視したことを教えてほしい。

森保 まずは、W杯ロシア大会に出ていた選手で、基本的に海外でプレーしている選手の招集は、今回は見送りました。ただし、リオデジャネイロ五輪世代より下の年代の選手に関しては、海外でプレーしている選手でも、シーズンのスタート時期なのでその選手の立ち位置や状況を踏まえながら、招集させてもらいました。プラス、国内組の選手を招集してチームとして戦っていこうと考えました。

――東京五輪世代が3人(冨安、伊藤、堂安)初招集だが、このタイミングで彼らを呼んだ理由は?

森保 まずは彼らが、A代表のグループに入ってもいいだけのパフォーマンスを見せてくれているということ。そこでA代表の中で、ピッチ上の活動を見てみたいなという選手を招集しています。

――初招集の佐々木はサンフレッチェ広島で知っている選手だと思うが、クラブでやっていたこと、あるいはいまU−21代表でやっていることを継続して新しいチームを作っていく中で、招集した意図を教えてほしい。

森保 国内組の招集に関しては、基本的には結果を出している選手、いいパフォーマンスを出している選手を招集しています。今、お話があった佐々木に関しては、サンフレッチェ広島で、チームとしても首位を走っていますし、その中でディフェンスの部分、攻撃の部分も含めていいパフォーマンスを継続して発揮しているということで招集させてもらいました。

――森保監督が8月の中旬からこちら(インドネシア)に来ている中で、選考をどのように進めて今日のメンバー発表に至ったのか。

森保 選手の選考というか、視察の部分では、8月11日までで、今の五輪代表チームのスタッフは区切りをつけてインドネシアにやってきました。その後はここにおられる技術委員長の関塚さんや、小野剛さん、協会の方々にお力をお借りして視察をしていただき、報告を上げていただきました。A代表の監督に私が就任してからは、五輪代表チームのスタッフにも、これまでの視察とは違って五輪世代の選手だけでなく、A代表を含め全体的に見てほしいということでやってもらいました。期間的には十分でないかもしれないですが、東京五輪代表のスタッフとしての活動期間での視察で、Jリーグではかなりの数をずっと視察してきたので、全体的な選手のパフォーマンス等は把握できていると思っております。

関塚 補足ですけれども、新監督の兼任が決まった時に、それまでW杯などの大きな大会に向けてのラージグループに彼も加わっていますし、コーチングスタッフで時間は限られていますが検討し、森保監督のサッカーを具現化してくれる選手を選んでくれたと思います。その上で、僕自身も14日からアジア大会に来る予定でしたが、A代表の選考でのJリーグ視察ということで日本に留まっておりました。技術委員を含め、協力をもらいながら、試合の間に森保監督やコーチとやり取りをしながら試合を決めて、実際に見に行ったところと映像でチェックしたものを報告して、今日を迎えました。

まだコアなチームだとは思っていない

現在行われているアジア大会のU−21代表からの追加招集も示唆 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

――初めてのメンバーですが、2試合を戦うテーマやキーワードはあるか?

森保 まずは、選手個々の力をA代表の舞台で見せてほしいと思っています。自分の持っているものを発揮してほしいですし、勝ちにこだわってチームとしてもつながりを持って、チリ、コスタリカと戦いに挑んでいければと思っています。

――来年の1月にはアジアカップがあるが、選手のテストとチームとしての成長をどのように並行して進めていくのか?

森保 最初から招集した選手をコアなチームだとは思っていません。代表経験がある選手も、これから発掘という意味で新しく入ってもらう選手も含めて、私が見てみたい選手を招集させてもらいながら、チームとしてもアジアカップに向けて成長できるようにしていきたいと思っています。いつからいつと具体的にはお伝えできませんが、多くの選手を見つつチームを作っていきたいと思っています。

――アジア大会ではまだ決勝を残していますが、アジア大会が終わったタイミングでアジア大会のメンバーから追加招集するようなことは考えているのか?

森保 私の心情的にはあります。ただし現実になるかどうかは現段階では分かりません。私がA代表と五輪代表を兼任しているということは、A代表の選手と五輪世代の選手を融合させる。そして若い選手を底上げして日本サッカーのレベルアップにつなげるために監督をしています。決められた枠で力のある選手を招集するのはもちろんですが、いろいろな刺激をもらって成長につなげるような環境づくりもできればと思っています。

――アジア大会中にA代表監督としての会見に臨んでみて、改めて兼任監督の重責を感じているか?

森保 そうですね。重責は覚悟していて、兼任監督を引き受けた時点で感じていますし、今もそうですし変わりはありません。今、アジア大会を戦いながら、目の前の試合でやっていくこともたくさんある中でA代表のメンバー発表という部分で難しいところはあるとは感じました。視察に関しても関塚さんや技術委員の方々が手伝ってくださったり、これまでもW杯に携わらせてもらったり、経験させていただいたこと、そして多くの方の力をお借りしてこの発表ができたと思います。

 スタートは何をやっても難しさはあると思いますし、これをやりながらA代表と五輪代表の兼任としてよりスムーズに仕事ができるように、毎回毎回、成果と課題を考えながらうまく仕事ができるようにしたいと思います。

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